表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

はじまり

机の上のタバコを手に取りベランダの戸を開ける。

戸を開けた瞬間身体を抜けていく冷たい空気を感じながら外に出る。

やっぱり冬の夜は冷えるなぁ、そんなことを思いながらタバコの箱に手をかける。

がさがさと箱の中を漁ると残り一本になっていた。

家でしか吸っていないため、残りの本数など確認せず吸ってしまっていた。

「うわ、帰りに買って帰ればよかったな。」

スマホを開き時間を確認すると午前三時、明日のことを考えると、今からタバコのためだけに外に出るには惜しい時間だった。

しょうがない、今日は一本で我慢して明日絶対忘れないようにしよう。

箱の中の残り一本のタバコとライターを手に取り火をつける。

タバコを吸いふぅっと息を吐くと白い煙が口から出てきたが、すぐに風が煙をかき消していく。

その風にぶるぶるっと身体を震わせていると、

”冬のタバコは寒い中吸うのがいいんだよぁ”

と懐かしい声が頭の中に流れてきた。

”えー、なにそれ。って言うか寒いから早く閉めてよお”

自分の甘ったるい声も流れてきて思わずくすっとしてしまった。

何年前か、自分がこのタバコを吸うきっかけにもなったこと。

どうしてか冬の夜になると懐かしい思い出を振り返りたくなる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ