1話 入部①
時は20XX年
人々の心は荒廃し、核戦争により世界の八割が人類が生存できない土地に変貌してしまった
そんな中、立ち上がった者がいた
彼らは自らをボランティアと名乗り戦ったのであった
これはそんな彼らのお話
時は数十年前、核戦争が起こったあの日の3年前に遡る
『おーい!ミヤビ!お前部活何に入るんだ?』
ここは、ヌァ国パロノ州にある王立パロノ中学校
今年も、例年通り約200名の生徒がヌァ国にある78の州から集められ入学してきた
入学から1ヶ月程度が経ち、部活動選択の時期なのであった
『お!ヤツハシじゃん
俺はそりゃぁ、ボランティア部一択だよ』
『ミヤビ』こいつは、本名 中道雅)、僕 八橋仁人とは小学校時代からの友人である
『ボランティア部?そんな部活あったっけ?』
『おいおい、パンフレットすら読み込んでないのかよ』
そう言って、ミヤビはポケットから折りたたまれた紙を取り出し広げる
『ほら?ここに書いてるだろ?』
そう言ってミヤビが指さしたのは紙の裏側の右端
そこには消えかかった小さな文字でボランティア部入部希望者募集中とだけ書かれていた
直感的にわかる、この部活だけは入っては行けない
『い、一応理由を聞いてもいい?』
『考えてみろ?この紙の後ろにこれだけが印刷されてるんだぞ?
わざわざボランティア部のために両面印刷にしてるってことだ』
『ほぉほぉ?』
『つまり、この学校に置いてボランティア部の需要は相当高い』
『なるほど』
『なら、ボランティア部に入るしかないじゃないか!』
『そうだな』
八橋仁人は、流されやすいタイプだった
そして、数日後部活動の登録用紙を書き僕たちはボランティア部での初めてのミーティングに参加することになった
『この教室だよな?』
『多分…』
担任教師に聞かされた情報によればボランティア部のミーティング場所はこの教室
だが、その教室は薄暗く電気すら付いていない
なんなら恐らくカーテンが閉められており完全に暗闇となっている
『ま、まぁボランティア部は日陰者の集まりっていう暗喩だろ』
『なんのフォローにもなってないぞ』
僕たちは恐る恐る教室の扉を開ける
どうやら鍵は掛かっていなかったようですんなり扉は開いた
1歩、教室の中に足を踏み入れると凡そ室内とは思えない感触が足を襲った
『なんだ?土?』
『ここ室内だよな?』
僕たちはここで引き返すべきだったのだ
そうしておけばあんな大事件に巻き込まれることもなかったのに…
いいや、運命は既に決まっていたのかもしれない
運命とは逃れようのないものなのだ