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準備

「これだ……」

 俺は自分で生み出した光景に満足していた。


 まず、見た目で侮られたら話にならない。

 一目で『ただものじゃない』と思わせなければならない。

 とはいえ、とはいえ、だ。

 普段と全く違う姿で登場するのはNG。

 それだとその姿をやめたときに結局不信感が募ってしまう。


 そこで!

 自分を強く見せるのはやめる!

 どうあがいても俺の見た目はひ弱で色白な十台でしかないのだ。

 そこを変に変えても上手くいく気がしない。


 いや、まぁ、やろうと思えば身長と体重を二倍にする薬とか出せるだろう。

 けど大した記憶もない今、体すら改造するのはさすがにあんまりじゃないか。

 俺が俺であるためにも体や顔は変化させたくない。


 そして俺は気づいた!

 俺の周りに強そうなやつを召喚すればそれを操る俺はさらに強く見えるのだと!

 なんなら俺のひ弱な外見も一周回って強キャラに見えること間違いなし!


 俺の創造チートは生き物を生み出すことはできない。

 けれど生き物のように動く魔道具を作るのは造作もないのだ!


 俺が思い浮かべたのは王。

 それも森を統べるジャングルの王!


 俺がひとたび腕を振るえばサル型の魔道具が目にもとまらぬ速さでエルフの武器を奪い去り、トラ型の魔道具が縦横無尽に空を駆け、俺が騎乗している象が嘶きながら炎を吐く!


 当然全員破壊不能!俺の歩みを止めることはそれこそ神にしかできないだろう!

 安全面の心配も問題なし!サルは武器を奪うときでさえ怪我は絶対にさせない優しさを持ち、仲間思いな気のいい奴らだ!

 トラは空を駆けることができるだけで爪も牙もない!象にいたってはその九割が幻であり、実態は足と俺が座る部分だけだ!なんなら足の位置もコンパクトで幻と完全にずれている!


 森の中で象が身動きなんて取れるわけないししかたないね!

 木が大きいおかげでトラが空を飛ぶのに支障がないのが唯一の救いかな?


 ただ、移動速度だけは本当に優秀だ。

 こいつが本気で走れば乗っている人には快適な空間を提供しつつ一時間でこの星を一周できるという素晴らしさ!この星のサイズはよくわからないけどね!


 ちなみにトラは空を飛べるだけでマジの無能です。

 一番強そうなのにかわいそう……。


 後は無限にお茶の出る水筒や開けたら出来立てのご飯が必ず用意されているお弁当箱などを用意して!

 それを無限に時間を止めて収納できる指輪に収納!

 最後に目的地を自動で指示してくれる方角の関係ない方位磁針を取り出して準備は万端!


 待ってろエルフ!今迎えに行くぞ!お前たちは俺が救ってやる!

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