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第四十三話(裏)

 アジトに戻ったシャルはすぐさま自分の部屋に戻った。

 部屋に戻ったシャルは一目散にベッドにうつ伏せに倒れ込んだ。


「……何でこうなったの?」


 翻訳本アルゴリズムを探して村に訪れた。その村には勇者達がいる事は分かっていた。だからノクトと出会う可能性もあった。だからこそ直接対峙したくなかった。対峙してしまえば自分の決意が揺らいでしまう可能性があったから。


 しかし直接ノクトと対峙して仮面を壊されノクトに素顔を見られた。他の勇者から何か伝わっていたようでノクトもシャルが悪魔側についている事は知っていたようで素顔を見られてもあまり驚いた様子ではなかった。


 ノクトと直接剣を交えて、対話して、ノクトがまだ全ての真実を知ってないことが分かった。

 シャルは安心したと同時に辛かった。ノクトが真実を全て知ってしまえばノクトは自ら命を絶つだろう。


 だからこそこんな理不尽すぎる世界を変えると覚悟を決めたのに、ノクトと対話して一瞬でも覚悟が揺らいだ。



『シャルを助けたい』



 その言葉は昔のシャルならなく程嬉しい言葉だったが今はその逆でノクトから意味版言われたくなかった言葉だった。シャル自身が覚悟して決めた決意が揺らいでしまうから。


 直接言われたシャルも言われた直後心が揺らいでしまった。けれどやはり何もノクトは知らなかった。シャルは自分がどれだけ敵視されようが気にしてなかった。真実を知ったシャルはノクトやアンリを巻き込もうとした世界の在り方に興味も関心も失った。残ったのは空しさだけだった。


 だから変えようと思った。


 ノクトやアンリだけでなく全ての人間が争いをせず国の武力や駒とぢて使われない優しい世界に変えたい。

 なのにノクトと再会して対話して決意を揺るがされそうになった。


 だからノクトから去る時に決めた。コン一切自分の決意を揺るがす脅威が訪れても覚悟を乱さない強い意志を持つ。

 それさえも脅かされそうになる事を避けるためにノクトから逃げた。


 それが一番悔しかった。助けたい人のために助けたい人と決別しないといけない。それがどれだけ辛い事か初めて知った。

 シャルはベッドに顔を埋めて止められない涙を一晩中流した。

お疲れ様です。

本日も読んで頂き誠にありがとうございます。

明日も投稿しますので良ければ次話も読んで下さい。

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