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第四十一話(表裏)

 目の前に仮面の少女が地面に着地した後、仮面の少女の背後に黒い炎が立ち上がり悪魔の姿に変わる。


 ラザフォードは仮面の少女の襲撃を避けた後ノクトとホホを地面に下した。二人を下したラザフォードは聖剣を構え直す。地面に足を付けたノクトも聖剣を抜き構えた。


「ホホ。そこから絶対に動くな」


 ノクトは地面に足を付けたホホに動くなと命じた。勇者の力がない現在、悪魔と戦えるのはラザフォードのみ。ノクトはラザフォードの支援委回る方が無難だ。


 今の状況を把握できるノクトは下手に先陣を切って無駄死にする行為をする選択肢は浮かんでいなかった。


「ノクト。仮面の女の相手はお前がするんだ」


 ラザフォードはノクトが考えもしなかった選択を提示した。

 ラザフォードの想定外の提示にノクトは驚愕のあまりラザフォードの顔を凝視してしまった。


「何でそんな提案をするんだって顔だな?」

「当たり前じゃないですか!今の俺には勇者の力を取り戻してないんですよ!それなのに仮面の女の相手をするなんて無謀にもほどがあります!」


 ラザフォードの指摘に今の戦況を理解しているノクトは当たり前のようにラザフォードの提案を否定する。


「だからこそだ。仮面の女の後ろにいる悪魔は勇者の力が致命傷になるが仮面の女は勇者の力なんてお構いなしだ。だからこそ今悪魔達の動きを十分かき乱せるのは俺だけだ。その間にノクトが仮面の女と戦って十分に撤退できる隙を作るんだ」


 ラザフォードの作戦を聞いた後先程のにも納得できた。確かにノクトは現在勇者の力を失っているが勇者の力が致命傷にならない仮面の少女にはそもそも勇者の力でなくても対抗する手段があれば相手をできる。

 逆に勇者の力が致命傷になる悪魔をラザフォードが相手をする事で悪魔達の動きをかき乱しあわよくば悪魔達を消滅できる。


「分かりました。俺が仮面の女の相手をします」


 ノクトはラザフォードの作戦に同意すると聖剣を構えているノクトは聖剣っ述の白と黒の気を仮面の少女に放った。


 仮面の少女はノクトが放った聖剣術を仮面の少女は羽織っている黒の外套を変形させて盾をつくり聖剣術を防ぐ。ノクトの聖剣うつを防ぐと仮面の少女は掌から魔法陣を高速で展開して光の槍を生成してすづにノクトへ射出する。


 魔法陣を展開してから一秒もかからない早業で光の槍を射出した仮面の少女の攻撃をノクトは防御魔術でで防いだ。

 仮面の少女の攻撃を防ぐと同時にラザフォードは聖剣から火球を複数生成して仮面の少女と悪魔達に向けた放つ。


 仮面の少女は黒の外套を盾代わりにして防御するが、悪魔達は放たれた火球の着弾地点から離れて避ける。


 悪魔達が仮面の少女から離れた時を狙い防御魔術を加除して仮面の少女の懐へ飛び込んだ。

 ラザフォードが放った火球が仮面の少女に着弾して黒の外套の盾で防がれた直後ノクトは黒の外套を盾にした仮面の少女の懐に入り込んだ。


 ノクトは聖剣を仮面の少女に向けて振りかざす。しかし仮面の少女は早業で剣を生成してノクトの剣を止めた。

 ノクトと仮面の少女は鍔迫り合いになると距離を取った悪魔達は魔法陣を展開してノクトに向かって光の矢を射出した。


 ノクトは仮面の少女と鍔迫り合いの中、再び防御魔術を展開して悪魔達が射出した光の矢を防ぐ。

 ノクトに攻撃を仕掛けた悪魔達にラザフォードは聖剣術の火球を悪魔達に向かって放ちノクトから悪魔達をより遠くへ誘導していく。


「勇者め。小賢しい真似を!」


 ラザフォードの聖剣術による牽制で誘導される悪魔達は忌々しそうにラザフォードを睨んだ。


「それはお互い様だ。鍔迫り合いで動けないノクトに攻撃する悪魔には言われたくないな」


 ラザフォードも鍔迫り合いで動けないノクトを狙い光の矢を射出した事に言葉を返した。

 ノクトは鍔迫り合いで魔直に仮面の少女の姿を見て、顔は仮面で隠されていて分からないが髪の色や肌の色が自分の知っているシャルと同じ事に戸惑っていた。


 そしてなぜか仮面のあ幼女が剣を押してくる力が他の勇者から聞いていたものより弱く感じている事にも違和感を感じた。

 ファルコが勇者の力で向上した聖剣の鍔迫り合いでも平然としていた仮面の少女が勇者の力が戻っていないノクトと鍔迫り合いで互角の勝負になっている。


 ノクトは鍔迫り合いの状態から聖剣にかける力の方向を横にずらして仮面の少女との鍔迫り合いを解いた。鍔迫り合いを説いたと同時にノクトは不可視化させた魔法陣を展開して仮面の少女に風の魔術を発動する。


 ノクトは風の刃を仮面の少女に向けて放った。

 仮面の少女はノクトが展開した魔法陣が見えず風の刃が放たれてから反応が遅れ躱すタイミングが遅れた。


 仮面の少女の服に風の刃が掠めて切れた。そして仮面に小さな傷が入る。するとその傷から亀裂が伸びていき仮面が砕けた。


 仮面の少女の仮面が砕けると仮面から青く澄んだ綺麗な瞳と見覚えのある鼻梁が露わになった。

 綺麗な青い瞳から滴った雫の跡が頬に流れている。


 二年前より大人の女性に成長したが顔から伝わる優しい雰囲気は変わらない所もある。


「……やっぱりシャルなのか」


 ノクトは目の前にいる仮面が砕けて素顔をさらけ出した少女———シャルを見た。

お疲れ様です。

tawashiと申す者です。

本日も読んで頂き誠にありがとうございます。

これからも投稿していきますので気が向いたら読んで下さい。

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