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第十三話(表裏)

 雨の勢いが徐々に強くなる中、ノクトは目の前のカイの言動に強い違和感を感じていた。


 カイは防御をしている。ノクトと一定の距離を保ちつつノクトの魔術と聖剣術を躱したり魔術で防御をしてくる。もちろん攻撃をしてくるが確実に躱す事のできる遠距離魔術でまるで躱すことで誘導されて一定の距離を詰められたくないように窺える。


 それにノクトと戦闘を繰り広げる前に放った言葉——



『自分達が何の策もなしで勇者の罠が仕掛けられている祠へのうのうと現れると思いますか?』



 カイの言った言葉にも引っ掛かる。まるでカイはノクトと戦った後祠に保管されている魔王の魔力を奪うというより、現状はただノクトとの戦闘を長引かせようとしているだけのような戦い方だ。

 そんな事を考えていたらノクトの耳の魔法具が点滅する。


『ノクト様!緊急事態です!ライエール伯爵家別邸に転移した勇者三名と悪魔達が応戦しているのですが、悪魔側に人間の女性が一人混ざっています!その上その女性は勇者三名の連携に対応できる程の強敵です!』


 王宮魔術師から他の勇者達の状況を念話で伝えられた、

 それを聞いた時、祠に展開されているかつての勇者が施した立体魔法陣が意味をなさずに魔王の魔力が奪われたのか理解した。


 人間であれば悪魔が触れるだけで灰になってしまう程強力な魔法陣は悪魔相手と違い触れるだけでは灰にはならない。しかも勇者三名と渡り合う程の手練れであれば祠の立体魔法陣を掻い潜りまおうのまりょくを奪う事ができる。


『もしノクト様の目の前の悪魔を討伐できましたら至急他の勇者様達の所へ転移させますので報告お願いします!』


 王宮魔術師が状況を説明した後ノクトへ作戦を伝える。


『了解。至急目の前の悪魔を討伐する』


 念話により王宮魔術師に作戦を了承した事を伝えるとノクトは構えている聖剣に集中する。ノクトの構える聖剣には白と黒の聖なる気が纏い出す。しかし二年前初めて聖剣の使い方を教わった時とは違い、聖剣に纏う聖なる気は二年前より数段高濃度で聖剣に纏う量と形状も違う。


 二年前は聖なる気配を聖剣に纏わせていた時聖なる気が完全に安定せずゆらゆらと動いていた。しかし今では聖剣に纏う聖なる木はゆらゆらと動く事なく安定していてしっかりと聖剣に纏っている。

 ノクトは聖なる気をが纏った聖剣を構えてカイの方へ猛進する。


 ノクトの猛進にカイは魔法陣を展開した。展開された魔法陣から黒い矢が生成されて向かってくるノクトへ黒い矢を射出した。

 ノクトへ射出された黒い矢は高速の勢いでノクトへ飛んでくるがノクトは止まる事も方向転換する事もせずにそのまま会の方へ駆け寄る。


 黒い矢がノクトへ命中する直前、ノクトは右目に力が行き届くように集中したするとノクトの右目に勇者の紋章が浮かぶ。勇者の紋章が右目に浮かんだ瞬間ノクトへ高速で飛んでくる複数の黒い矢が目で簡単に終える程遅くなる。実際に黒い矢が遅くなったわけではなく高速で飛んでくる厨が遅く見えているだけだ。


 しかしこれでノクトへ命中する黒い矢の軌道が目で追う事が出来る。

 ノクトは体に命中する黒い矢のみを聖剣で斬り払い、余計な動きをすれば命中してしまう黒い矢は無視してカイへ直進する。カイの射出した黒い矢達は一本もノクトに命中することなく斬り払われた屋は真っ二つになり地面に落ちて、他の矢は空しく空を切り地面に刺さる。


 一気に距離を詰めたノクトは聖剣術を命中させられる距離まで近付いた。聖剣に纏う聖なる気を切っ先に集中させた。そしてノクトは聖剣で空を切った。すると空を切った聖剣の軌跡から聖なる気が刃の形状に変化してカイに向かって飛んでいく。


 聖なる気の刃が高速で進みかわそうと動く動作を開始したカイに命中して、カイの右腕を

斬り落とした。


「ぐああああぁぁぁぁーーーー‼」

 カイの悲痛な悲鳴と共に切り落とされた右腕からは赤い血液が滴らず、黒煙が黙々と立ち上がる。

 カイは右腕を切り落とされた激痛で左腕で斬られた箇所を抑えて元々歪んでいる顔をより苦悶の表情で歪ませる。


 しかし、その表情もつかの間。次の瞬間苦悶で歪んだ表情から、口角を異常に上げて今にも笑い声を上げそうな表情を見せる。


 ノクトはそれに気づきカイの元へ駆け寄る直後、祠の方から夜だというのに辺りが真っ白に染まる程の強い光が放たれノクトとカイを呑み込んだ。


お疲れ様です。

tawashiと申す者です。

今回も読んで頂き誠にありがとうございます。

明日も投稿していきますので良ければ読んで下さい。

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