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第十二話(表裏)

「「はあぁぁーー‼」」


 先陣を切ったファルコと仮面の少女は自分を鼓舞するように雄叫びを上げた。


 仮面の少女は早業の魔法陣展開で漆黒の槍を生成してファルコめがけて猛進した。


 仮面の少女の後ろにいる悪魔達は互いに距離を取り勇者達に展開した魔法陣から生成した光の球と光の矢を射出した。


 仮面の少女と同時にファルコは聖剣に意識を集中させ神聖な光を纏わせ次の攻撃へすぐ行動できるように準備して仮面の少女めがけて猛進した。


 ファルコの後ろにいるラザフォードは聖剣から青い火の玉を複数生成して猛進する仮面の少女と仮面の後ろにいる悪魔達に向けて青い火の玉を放つ。


 シルフィーは聖なる気配を纏っている聖剣の切っ先を悪魔達に向けて悪魔達が放ったはかりの球と光の矢をいつでも透明な盾を展開して防御できるよう備えた。


 先に攻撃が届くのは悪魔達が射出した光の矢だった。

 光の矢は仮面の少女へ猛進するファルコにめがけて進み、躱さなければ命中するにも関わらずファルコはそのまま直進する。光の矢がファルコに命中する直前、透明な盾が展開され光の矢はファルコに魔移駐することなく防がれて光の粒子となり霧散する。


 次に攻撃を届くのはラザフォードの聖剣術の青い火の玉だ。

 青い火の玉は仮面の少女と悪魔達それぞれに向かって弧を描きながら進んでいく。先陣を切った仮面の少女に青い火の玉が先に命中する直前ファルコに向かって射出され直進していた光の球が急に軌道を変えてファルコを防御するはずだった透明な盾に命中することなく仮面の少女と悪魔達に向かって飛んできた聖剣術の青い火の玉全弾と衝突して爆音と共に爆発した。


 爆発した後、爆風と共に黒煙が立ち込め互いの視界を奪う。目の前に黒煙が立ち込めるとファルコは黒煙の中に入るのを避けるために両足を踏ん張り猛進していた勢いを止めた。


 一方の仮面の少女は黒煙に怯むことなく黒煙の中へ飛び込んだ。

 黒煙に飛び込んで姿を隠した仮面の少女にファルコはどこから攻撃してくるか分からない。そう思っていた時魔の前の黒煙からファルコの不意を突く乱れ突きの閃きがファルコに襲い掛かる。


 黒煙からの乱れ突きをファルコは聖剣で受け流す。しかし全て受け流す事はできず脇腹に一突き掠めた。

 突きが掠めた脇腹を手で押さえるファルコの目の前には黒煙が風に流され漆黒の槍を構える仮面の少女の姿が視界に入ってくる。


 そして仮面の少女は再びファルコに向かって乱れ突きを喰らわす。ファルコは黒煙の中の不意打ちとは違い仮面の少女の微細な動きも見えるため仮面の少女の乱れ突きを全て受け流した。全て受け流した後、一瞬隙が生まれた仮面の少女に光を纏う聖剣を振り下ろした。


 仮面の少女に振り下ろされた聖剣を少女は羽織っている黒の外套を形状変化させファルコの目の前に盾をつくり出す。つくり出された黒い盾にファルコの聖剣がぶつかる。


 黒い盾は聖剣に圧しこまれるも柔らかく変形しつつも切れることなく聖剣を止めた。聖剣から伝わるのは硬い盾に防がれた時の衝撃とは違い聖剣の一撃を勢いを柔らかい物体に勢いを殺された時の何の手応えもない感覚だった。


 ファルコの聖剣が仮面の少女の外套に防がれたと同時に悪魔達は光の球を大量に生成した。そして光の球を全弾仮面の少女とファルコの遥か上に射出する。

 仮面の少女は盾にした黒の外套を聖剣を受け止められたファルコの一瞬の隙を突き黒の外套の端をファルコの片腕に巻き付けた。


「⁉」


 黒の外套を巻き付けた仮面の少女はファルコごと光の球が軌道上に命中するであろう上空へ投げ飛ばした。

 上空へ投げ飛ばされたファルコは空中では逃げる事ができない。


 このままではファルコに命中してしまうとファルコが投げ飛ばされた瞬間理解したシルフィーは光の球がファルコに命中する前にに聖剣術の透明な盾をファルコの周りに展開した。


 これで光の球の軌道を変えてもファルコに命中する事はない。


 そう思った矢先、光の球が軌道を変えた。ファルコの周りに展開された透明な盾を躱して聖剣術で透明な盾を展開したシルフィーとシルフィーの傍にいるラザフォードに向かって光の球が襲い掛かて来た。


 シルフィーは次に透明な盾を展開するまでの時間よりシルフィーの元へ光の球が着弾する時間の方が速いと判断して走って躱す事を選択した。ラザフォードはシルフィーが奔って躱そうと体勢を変えた事でシルフィーの考えを悟りシルフィーとは反対方向に走った。シルフィーとラザフォードは互いに反対方向へ走る。


 光の球の大半はシルフィーに向かって軌道を変えて襲い掛かる。シルフィーは光の球が着弾するより遥かに速く躱していく。両脚にそれぞれ勇者の紋章があるシルフィーは勇者の力の一つである目で追う事が不可能な程の高速移動で大量の光の球を躱していく。


 ラザフォードもシルフィーと距離を取り聖剣術の青い火の玉を放ち光の球を撃ち落とす。

 空中に投げ飛ばされたファルコは投げ飛ばされた勢いがなくなり空中で止まり始めた。その時体勢を整えようとするファルコは自分を投げ飛ばした仮面の少女を見る。


 仮面の少女は右手の掌をファルコに向けた。すると仮面の少女から魔法陣が展開されていないのにファルコの体が重力によって徐々に加速しながら落下するのではなく初速からトップスピードで地面へ落下する。


 トップスピードで落下するファルコに落下点に立つ仮面の少女は広げた右手に握り拳をつくる。そしてファルコが地面に衝突する直前、仮面の少女の握り拳をファルコの鳩尾に向けて突き出した。


 地面へトップスピードで落下する勢いが合わさり仮面の少女の拳がファルコの鳩尾に凄まじい勢いで抉り込まれる。ファルコが落下した勢いは仮面の少女の足元に伝わり仮面の少女の足元が周囲ごと凹んだ。


「ごぼっ‼」


 あまりの衝撃と激痛にファルコから鈍い音が響き血反吐を吐き一瞬で意識を失った。


 光の球の応酬を躱す事で精一杯だったシルフィーとラザフォードはファルコが落下して仮面の少女に殴られた時には三人とも距離が離れ過ぎていた。

 意識を失ったファルコの元へ駆け寄ろうとしたシルフィーとラザフォードの目の前に悪魔達目の前に立ちはだかる。


「貴方達はもう少し私達が相手をします」


 シルフィーの目の前には悪魔が一体、ラザフォードの目の前には悪魔が二体立ちはだかった。


「悪魔である貴方達が私達勇者と一対一で戦って勝ち目がありますか?」

「できるとは思いませんが時間稼ぎはできます」

「どういうことです?」


 シルフィーの質問に目の前の悪魔は答える事はなかった。

 仮面の少女の拳で意識を失ったファルコは力なく地面に転がると仮面の少女はファルコの右手首を掴んだ。ファルコの右手首を掴むと掴まれた右手の甲に勇者の紋章が浮かぶ。


「やっぱり右手に勇者の紋章があった」


 仮面の少女がそっと呟くと、ファルコの右手首を掴んだまま祠の前までジャンプした。祠の前に着地すると仮面の少女はファルコの右手首を掴んでいる手ごと祠に展開されている立体魔法陣に触れた。


 ファルコの勇者の紋章が立体魔法陣に触れた瞬間、立体魔法陣は今までにない強い光を放った。放たれた光は空に向かって光の柱をつくった。


 強い光を放つ立体魔法陣は魔法陣一つ一つ異常な保護高速回転して自壊していく。魔法陣が自壊する程放たれる光は強くなって周りにいる勇者も悪魔も呑み込んでいく。


お疲れ様です。

tawashiと申す者です。

二話連続投稿の二話目です。

明日も投稿していきますので気が向いたら読んで下さい。

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