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第五話(裏)

 翌日——



 シャルと悪魔達は昨日会議をした部屋に集合していた。


「今日は珍しい物を身に付けていますね。シャルロット」


 ユプシロンは傍にいたシャルが身に付けている物の違いを指摘した。

 シャルは魔王の魔力を奪還する時に身に付けている黒のワンピースと他の悪魔達と同じ黒の外套を羽織っているがいつもと違うものも身に付けていた。


「その仮面、私達悪魔の顔にそっくりです」


 そう。シャルロットは悪魔の異形の顔を模した仮面を被っていた。


「けれど、なぜそんな物を被っているのですか?」

「あなた達悪魔と違って私は人間で勇者達に顔バレしたらすぐ国中に指名手配されるから、それ防止の仮面よ」


「なるほど。人間でいるのも面倒なものですね。しかしシャルロットの今の着ている服と相まってよく似合ってますよ。とても悪魔らしい」

「悪魔に悪魔らしいと言われるのもなんか複雑ね……」


 シャルとユプシロンがシャルの被っている仮面の話をしていると悪魔の誰かが声を発する。


「全員集まったようだな」


 部屋に集まった悪魔達の中で先に声を発したのはシータだった。

 シータは声を発すると同時に部屋の中央へ進んでいく。


「俺が提案した作戦を口頭で振り返る。シャルロットはいつも通り次の魔王様の魔力の保管場所へ直行、イプシロン、シグマ、ユプシロンはシャルロットに同行。残りの魔王様の魔力が保管されている十六ヵ所は各一体ずつ保管場所の近辺で待機。残り三体の悪魔の俺、プサイ、ローは転移魔術を展開してシャル達を目的地に転移させる事といつでも奪還に向かった奴らをこちらに戻すために転移魔術を展開したままこの部屋に待機だ。何かあれば必ず思考を共有する事。以上だ」


 シータは作戦における人員それぞれの役割を確認していく。


 確認が済むと部屋の中央に着いたシータとその両脇にいるプサイと、シータより背丈の低い悪魔——ローが黒い床に魔法陣を展開する。

 魔法陣が展開されるとシータ、プサイ、ロー以外の悪魔とシャルの足元に魔法陣がそれぞれ展開される。


 展開された魔法陣から光の柱が立ち上り魔法陣の上に立っているシャルと悪魔達を呑み込む。シャルと悪魔達を呑み込んだ光の柱はどんどん光が強くなり、呑み込んだ姿が見えなくなると光が強くなるのが止まり、今度は徐々に光が弱くなる。


 光が弱くなり最終的に魔法陣から立ち上る光の柱が消えると光の柱に呑み込まれたシャルと悪魔達の姿は跡形もなく消えていた。

 この部屋にいるのはシータ、プサイ、ローだけとなった。


「全員目的地へ転移できましたね。シータ」


 シータと同じく転移魔術を展開したプサイがシータに話しかけた。


「あぁ。だが俺達の役目はこれからだ。全員が役目を終えたらこっちに転移させるまで安心するな。ローもそれを肝に銘じでおけ」

「……」


 シータの問いかけにローは一言も発さなかった。


「いくら思考を共有できるとはいえ声を発して質問したんだから、声を発して返事してくれよ……」


 シータは無言のローに溜息交じりで呟いた。


『我らは声を発さなくても思考を共有できる他の生物と違う特権があるのだ。その特権だけで十分意思疎通ができる』


 ローはシータとプサイの思考と共有してローの考えている事を知った。


「ローも相変わらず声を出す事に抵抗があるようですね」

『抵抗があるのではない。声を出す事にメリットを感じないだけだ』


 プサイの声を発した見解をローは思考の共有で否定する。


「まあこの場ではどっちでもいい。俺達は俺達のする事をすればいい」


 シータは魔法陣の展開の維持を促すよう他の二体に言った。

お疲れ様です。

tawashiと申す者です。

本日も読んで頂き誠にありがとうございます。

これからも投稿していきますので気が向いたら読んで下さい。

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