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第三十五話(表裏)

 魔王とノクトが傍観者へ詰め寄り互いに聖剣を中段に構える。


『くっ‼こうなったら‼』


 身動きの取れない傍観者は苦い声を漏らすと、絡み取られた魔力の鞭を御印に引っ張った。


「⁉」


 強引に引っ張られた鞭を伝ってシャルが勢いよく引き寄せられた。

 引き寄せられたシャルは魔王とノクトよりも早く傍観者の元へ手繰られた。

 傍観者に手繰り寄せられたシャルは傍観者の傍に着くと傍観者の魔力に拘束された。


『その聖剣と炎で私を殺そうとすればここにいるシャルロットも道連れになる。それでもいいのか?』


 傍観者の非道な言動にノクトは一瞬詰め寄る速度が鈍くなった。

 しかし魔王は一切躊躇などせずに傍観者の元へ詰め寄った。

 そして魔王の金色の炎が纏った聖剣がシャルの体ごと傍観者を貫いた。

 シャルを貫いた聖剣から金色の炎が溢れ出しシャルごと傍観者を包み込む。


『アアアァァァアアア———‼』


 金色の炎に包まれた傍観者は金色の炎に悲鳴を上げた。

 先程までと違い魔力だけとなった傍観者を確実に燃やしている。シャルの強化の矢の硬貨が効いている。


 しかし決定打にかけていた。


 金色の炎に燃やされる中で傍観者は苦悶の声を漏らしながら魔王の体へと魔力を伸ばしている。その時、魔王とシャルがノクトを一瞥した。

 一瞥されたノクトはここへ来る前の出来事を思い出し、鈍くなっていた詰め寄る速度も元に戻しシャルを拘束する傍観者へと詰め寄った。


 詰め寄ったノクトは世間をシャルの体ごと傍観者を貫いた。

 聖剣に纏わせた漆黒の炎がすでに金色の炎に包まれた傍観者を喰らおうとした直後、金色の炎と漆黒の炎が交わり、鈍色の炎へと色が変わった。

 鈍色の炎に焼かれる傍観者は悶え苦しむ。そして傍観者に拘束されるシャルも苦悶の表情を浮かべた。


「————」


 その中シャルの口から言語化できない不可思議な言葉が紡がれた。

 言語化できない言葉を紡ぎ終えた直後、聖剣は今までにない輝きを放ち、鈍色の炎は鋼色に変わった。

 鋼色の炎は先程までの鈍色の炎とは段違いの速度で傍観者を焼き出した。

『アアアアアアァァァァァアアアアアァァァァァアアア‼』

 鋼色の炎に焼き尽くされる傍観者は断末魔を上げて灰一つ残さず消えた。

お疲れ様です。

本日も読んで頂き誠にありがとうございます。

これからも投稿していきますので良ければ次話も読んで下さい。

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