第三十話(表裏)
ノクトがシルフィー達の元へ辿り着く同時に悪魔達は浮遊魔術を展開して傍観者の元へ飛行する。
悪魔達は傍観者を囲むように空中で留まると、両腕を横に広げた。
悪魔達が広げた腕から魔法陣が展開されるとそれと同時に傍観者の足元に魔法陣が描かれた。
「性懲りもなく」
傍観者は足元に展開された魔法陣を一瞥すると、足元に手を向けた。
傍観者の手元から魔法陣が展開されると足元に展開された魔法陣が崩れ始める。
崩れ出した魔法陣がどんどん穴だらけになると、魔法陣の文字が独りでに蠢き出した。
「⁉」
魔法陣の文字が蠢き出すと、傍観者の傍にいる魔王を閉じ込めている光の檻の真下に新たな魔法陣が描かれた。
新たに描かれた魔法陣から光の柱が立つと光の檻が光の粒子に変わり徐々に朽ちていく。
光の檻が朽ちていくと魔王は内側から金色の炎を放った。
魔王が放つ金色の炎が魔法陣から放たれる光に触れると、金色の炎はさらに火力が上がり光の檻を内側から焼く。
光の檻の柵が朽ちてところどころが細くなると、魔王は拳を握り檻の柵を殴った。
檻の柵を殴ると光の檻は全て光の粒子に変わり光の粒子に変わっていった。
光の檻から解放された魔王はすぐに傍観者から距離を取り空中に浮遊した。
「よくやった。我が眷属よ」
魔王は魔法陣を展開して救出した悪魔達に労いの言葉を送った。