????????話
「見つけられてしまったか」
日が差し込む空間にいる傍観者は目の間にある代わりの体の器を見ながら呟く。
勇者と魔王達に隠していた聖典の原本を発見されて奪われてしまった。
現在から未来に起きる事は暗号化したのでこれから起きる出来事は知る由もないはずだが、勇者や魔王達が暗号を解読する解読書を手に入れるのも時間の問題だろう。
「体はあと二つ。これ以上体を破壊されるわけにもいかない」
傍観者は歯を食いしばってどこか悔しそうな表情を浮かべる。
すると傍観者は傍にある積まれた本の山を掻い潜り前に進む。
傍観者の目の前には机の上にチェスの盤が置かれている。
傍観者が盤の近くにたどり着くと傍観者はチェスの盤を見た。
チェス盤には白と黒の駒がたった一つの玉虫色の駒の方向を向いていた。
「魔王め。どうやって勇者達を懐柔したか分からんが、勇者達の矛先を私に変えたか」
チェス盤を見る傍観者は黒のキングの駒を手に取った。
「まずは先に魔王を潰す必要があるな」
傍観者は掴んだ黒のキングを強く握ると、握られた黒のキングはみしみしと軋む音が鳴る。
そして強く握られた黒のキングに亀裂が入り、黒のキングは隅々まで亀裂が奔り砕けた。
粉々に砕けた黒のキングは盤上に広がると光の粒子となって霧散した。
「さて待っているんだな。かつての同胞よ」
黒のキングを握っていた手を広げて駒の破片を放すと傍観者は踵を返した。
すると傍観者の足元に魔法陣が展開された。
展開された魔法陣から光の柱が立つと傍観者の体は光の柱に呑み込まれる。
光の柱に呑み込まれた後に魔法陣が消えると光の柱ごと傍観者の体が消えていた。
お疲れ様です。
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