第十話(裏)
傍観者との闘いから数日が経過した、
悪魔の根城には悪魔の姿が一体もなかった。
「まだかしら」
悪魔の根城にただ一人残っているシャルは一人ではかなり広いねじをの部屋の中央でただ立ちつくしていた。
他の悪魔は魔王の命令で新しく発見した暗号化されていた聖典の原本の解読書を探索している。
悪魔達が解読書を探索している間、シャルは魔王の命令で留守番をする事になった。
「もう戻ってくる時間を過ぎているし、何かあったのかしら」
シャルは戻ってくるはずの時間を過ぎている悪魔達に若干の焦燥感を抱いていた。
焦燥感を抱いているシャルはその場で腕を組み足元をかつかつと貧乏ゆすりをしていた。
そんなシャルの前に魔法陣が浮かび上がり光の柱が現れた。
「遅いじゃない。ガンマ」
「そう焦るな。我らとて時間通りに動こうとしているのだ」
光の柱から姿を現した悪魔——ガンマはシャルの言葉に苦言を呈すると片腕の手に一冊の本を持っていた。
「それで見つけたようね?解読書」
シャルはガンマの持っている本——解読書を一瞥するとガンマは解読書をシャルの前に差し出す。
「その通りです。しかし聖典の原本に書かれた暗号に適応した解読書か不明だ」
ガンマは手にしている解読書について話すとシャルはガンマが差し出した解読書を受け取った。
シャルが解読書を受け取るとガンマの近くの床にいくつもの魔法陣が描かれた。
「シャルロット。他も合法も戻ってきたぞ」
ガンマはそう言うと魔法陣から光の柱が立ちあがるといくつもの光の柱から黒の外套を羽織った者達が現れた。
「お待たせしてすみません。解読書を手に入れてきました」
現れた悪魔達の中から一体がシャルに向かって声をかけるとシャルは悪魔達が持っている解読書を一瞥した。
「いいわ。ちゃんと戻ってきなだから」
シャルは遅れ着てきて謝罪した悪魔を許す言葉をかけた。
悪魔達は手に持っている解読書をシャルに向けて差し出した。
シャルは差し出された解読書同士を重ねて持つとそのまま自室の方向へ歩き出す。
「原本に適応した解読書を探すから、それまでの間缶詰めになるわ。部屋から出るまで絶対に声をかけないでね」
シャルは少し刺々しい口調で悪魔達に言い残すと自室へと戻っていった。
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