第二十二話(表裏)
「よくやった。シャルロット」
本棚をあぶり出したシャルに労いを言葉をかけた魔王は現れた本棚にアラブ本を手に取った。
魔王が本棚の本を手に取ると同時に悪魔達も本棚へ歩み寄る。
悪魔達が近くまで歩み寄った本棚から本を取り出すと悪魔達は本を開いて中身を読み出す。
ノクト達勇者も本棚へ近付いて本を手に取る。
こちらの本棚も本の中身は同じ聖典だ。
違う点としては虚偽の内容くらいだった。探し始めて数十分が経過して悪魔の一体は目を通していた本を閉じて魔王に近付いた。
「魔王様。原本を発見いたしました」
悪魔の一体は手に持っている聖典を魔王に渡す。
魔王が悪魔の一体から受け取った聖典を持つと聖典は淡く光り輝いた。
「勇者の力と呼応している。確かに聖典の原本のようだ」
そう言うと魔王は手に取った原本を開いて目を通していく。
原本を読み進めている魔王にノクト達勇者は視線を向ける。
「何て書かれているんだ?」
ノクトは聖典の原本を読み進めている魔王に尋ねた。
「ここ最近の出来事から未来の事が書かれているようだ」
魔王はノクトの質問に答えるとノクト達勇者は目を大きく見開いた。
聖典は過去から未来の出来事が記された人を導くとされる本だ。
その原本の未来が記された部分が手に入ったのだ。誰しもがその内容をいち早く知りたい。
「詳しく何と記されているのですか?」
シルフィーは端的に説明をした魔王に対して詳細な事象を質問した。
シルフィーの質問に魔王は少し間を空けて口を開く。
「すまないがその質問には答えられない」
「⁉」
魔王の返答にシルフィーだけでなく他の勇者も眉をひそめた。
「どういうことですか?」
シルフィーは魔王にどういう意味なのか尋ね返すと魔王は目を通していた聖典の原本をシルフィーの前に渡す。
シルフィーは魔王から聖典の原本を受け取ると聖典を開き読み進める。
読み進めていくシルフィーは次のページを捲った直後目を疑った。
「未来の出来事が暗号化されていて解読できない。つまり我らが未来を知ることはできないという事だ」
魔王は先程の言葉の意味を伝えると魔王は振り返る。
「その原本は勇者達に預ける。我らはこの原本の解読できない部分の解読書を探す」
魔王はシルフィーに渡した原本をそのままに黒の外套の炎に身を包む。
魔王の行動と程同時に悪魔達も外套の黒い炎に身を包み出した。
黒い炎が全身を包むと黒い炎は空間から掻き消えて魔王達の姿ごと跡形もなく消えた。
お疲れ様です。
本日も読んでいた割き誠にありがとうございます。
これからも投稿していきますので良ければ次話も読んで下さい。