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第十六話(表裏)

 聖剣術の光の奔流が収まると光の奔流の先には真っ白の灰が積もっていた。


「なんとか傍観者を倒せました」


 三人がかりの聖剣術で傍観者を灰にするとシルフィーは聖剣を鞘に納剣してノクトの方へ歩いていく。


「二人がかりで陽動をして下さり感謝します」


 シルフィーは歩み寄る先にいるノクトと悪魔に感謝の言葉を伝えるとノクトはシルフィーを一瞥した。


「私達はできる事をしただけです。感謝ならノクト様にだけで大丈夫です」


 悪魔はシルフィーの感謝の言葉に斜に構えた返答をした。

 その様子にノクトは溜息を吐いた。


「少しは言い方を気にした方がいいぞ。シルフィーはお前に感謝を伝えたんだ。そこは素直に『こちらこそありがとうございます』でいいんだよ」


 ノクトは悪魔の返答に口を挟み注意すると悪魔は少しだけ渋い表情を浮かべた。


「気にしなくても大丈夫です。私はただ感謝を伝えたいと思ったのです。そちらにはそちらなりの事情があるわけですし」


 シルフィーは悪魔を視界に映して擁護する。


「それより、魔王の方はどうなりましたか?」


 シルフィーは悪魔に別行動を取っている魔王の状況を質問した。

 質問を受けた悪魔は目を閉じてしばらくの時間黙った。


「どうやら私達と意識を共有できない別空間へ飛ばされたみたいです。全然通信が取れません」


 悪魔は魔王達との通信が取れない事を説明すると勇者達は眉を顰める。


「大丈夫だ。オレの体に流れる魔王の魔力は消えていない。無事かどうかは分からないが少なくとも生きている」


 ノクトは体中に流れる魔力の中に魔王の魔力が混在しているのを感じるとここにいる全員に伝えると悪魔はほっと胸を撫で下ろした。


「だがすぐに加勢した方がいいのは確かだ」


 ノクトはそう言うと床に転移魔術の魔法陣を浮かべた。


「悪魔。力を貸してくれ」

「分かりました。それで何を手伝えればいいでしょうか?」

「お前の魔力を少し分けてくれ。別空間にいる魔王達の場所を特定する」


 ノクトは悪魔に魔王達の探索方法を説明すると悪魔はすっと手を伸ばしてノクトの体に触れた。

 触れた先から魔力をノクトの体に流し込むと、ノクトはアが仕込まれた魔力を伝に魔王達を探索する。

 すると床に展開した魔法陣はより精緻で複雑な文様に変化していく。


「魔王達を見つけた。転移魔術で目的地へ向かえる」


 ノクトがそう言うと他の勇者や悪魔は転移魔術の内側へ移動する。

 この場にいる全員が魔法陣の上に移動すると魔法陣から光の柱が立ち上り魔法陣の上の人物達を呑み込んだ。

お疲れ様です。

本日も読んで頂き誠にありがとうございます。

これからも投稿していきますので良ければ次話も読んで下さい。

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