第五話
ノクトは目を開けると視界に広がるのは王宮の集会の間だった。
「どうしましたか?ノクト?」
ノクトは目を開くと視界にはシルフィーとラザフォード、ファルコが映った。
視界に映るシルフィーは目を閉じていたノクトに声をかけた。
「魔王から報告があった」
ノクトは目を閉じていた時に魔王が精神世界で話した事を勇者三人に話した。
ノクトが精神世界で魔王と話した内容を詳細に話すと勇者三人は驚きで目を丸くした。
「——という事だそうだ」
「そうだとしたら早めに準備をしなければなりませんね」
ノクトの話を聞いたシルフィーは口元に指を添えて熟慮する。
魔王の報告が本当であればシルフィーの言うように準備は欠かせない。
「そうだな。まずは——」
「待ってください」
ノクトが準備の話を持ち出すとファルコは口を挟む。
「こいつが言うように敵がそこにいるとは限りません」
「それは俺が嘘を吐いてるって言いたいのか?」
ノクトは口を挟んだファルコを睨む。
ノクトが睨みを利かすとファルコは睨み返す。
「別に貴様が嘘を吐いたとは言っていない。魔王が言った事に確証があるのかという事だ」
「だったらもっと言い方を考えろ」
「貴様如きに言い方など考えてもしょうがない」
「人が親切で対応していれば好き勝手言いやがって」
「二人共、いい加減に下さい!」
二人が互いに喧嘩腰になるとシルフィーは声を大きくして二人の話に割って入った。
「今は傍観者との戦いの準備の話です!口論をしたいなら戦いが終わってからにして下さい!」
シルフィーは眉間にしわを寄せて声を張って二人を制止した。
シルフィーが制止するとノクトとファルコは口を閉じた。
「前にも言ったはずです。仲間同士でいがみ合う暇はありません。ノクト、魔王に傍観者のアジトの場所を聞いて下さい」
「わ、分かった」
シルフィーが語気を強くしてノクトに指示を出す。するとノクトはシルフィーの圧に怯みながら返事を返した。
そしてノクトは目を閉じた。
ノクトは目を閉じると体中に流れる魔王の魔力と自身の魔力を共鳴させる。
「先程も言いましたが、今は魔王達と協力して敵を討つのが先です。喧嘩がしたいなら全て終わってからにして下さい。勇者ファルコ」
「りょ、了解です」
シルフィーはファルコに鋭い眼光を向けるとファルコは怯んで声を詰まらせながら了承した。
シルフィーがノクトとファルコに釘を刺しているとラザフォードは傍で小さくため息を吐いた。
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