第三話
傍観者の襲撃を撃退して二日が経過した。
ノクトを含めた勇者は悪魔から受け取多聖典の原本の一部を読み進めていた。
聖典の原本の一部には今まで起きた大昔の過去が記されている。
「こんな記述、聖典の原本に書かれていたとは」
聖典の原本に記されている事に目を通して今まで読んだ事のあるシルフィーは聖典に書かれていない事、記述と異なる事に目を丸くして驚くばかりだった。
「しかたない。聖典の原本を隠して傍観者は嘘が書かれた聖典を広めていた。それも大昔からやってたんだ。俺達が知らなくて当然だ」
聖典の原本を読み進めるシルフィーの傍でラザフォードは机に置かれている紅茶が入ったカップを手に取って口元に運んだ。
「しかし信じられない。魔王がかつての勇者達の仲間だったなんて」
「それを言うなら悪魔達が傍観者と言っている奴もかつての勇者と同じ人間なんだ。腑に落ちるだろ」
ファルコが聖典の原本に書かれた魔王の元の姿が勇者と同じ神々に選ばれた人間であった事に驚きを隠せない。しかしノクトは自分達勇者と魔王達の共通の敵がかつて勇者達と魔王と同じ神々に選ばれた人間である事を知ったからかあまり驚きの様子がうかがえなかった。
「そうだとしても神々に選ばれた七人を陰で裏切って魔王を敵に仕立て上げた事は事実のようです。私達はそれを知る場に直面しました。これで魔王達が言っていた事は真実だという事です」
「そうだな。それに悪魔達の方から協定を結ぼうとした。悪魔達には敵意はないように見えるがどうだ?」
シルフィーとラザフォードは話の後にファルコとノクトを一瞥した。
ファルコは一瞬獣面した後いつものすまし顔を浮かべた。
ノクトは目を瞑って小さく頷いた。
「確かに今は悪魔を相手するより俺達の共通の敵を倒す事が最優先だ」
「こいつと意見が同じなのは癪に障るが、今の敵は傍観者だ。悪魔達と戦っていたら敵の思う壷だ」
二人は意見を口にした後多大を一瞥して苦い表情を浮かべた。
「そうですか。それなら私達のする事は決まりましたね?」
シルフィーはノクトとファルコを一瞥して溜息を吐いた。
この状況でも犬猿の仲のノクトとファルコの様子にシルフィーは溜息が自然に出てしまった。
「これから私達は魔王側と共闘して傍観者を討伐します。これは決定事項です」
「俺は勇者シルフィーの意見に同意する」
「こいつと意見が同じなのは僕も癪に障りますが、勇者シルフィーに賛同します」
「奇遇だな。俺も癪に障るが、シルフィーの意見に賛成だ」
勇者三人がシルフィーの意見に賛同するとシルフィーは内心溜息をもらす。
『これで本当に連携が取れるのでしょうか?』
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