第五話(裏)
新たに現れた悪魔二体はと元から光の槍を顕現すると傍観者へと距離を詰めた。
傍観者は光の剣を構え直して迫ってくる悪魔二体を視界に捉える。
傍観者が悪魔二体と応戦している間、イプシロンは転移魔術を展開する。
その時、イプシロンに向かって光の球が飛んできた。
光の球をイプシロンは展開していた転移魔術を中断して躱した。
イプシロンは傍観者を一瞥すると、他の悪魔二体と応戦している傍観者がちらりとイプシロンを見た。
傍観者は悪魔二体を相手していると同時にイプシロンに追尾型の光の球を制御していた。
これではイプシロンが転移魔術を展開する隙がない。
そう思った悪魔二体は一体が傍観者の相手、もう一体がイプシロンを追尾する光の球へと移動した。
イプシロンを追尾している光の球へ移動した悪魔は構えている光の槍を投擲した。
投擲された光の槍は向かってくる光の球と衝突するとすさまじい閃光を上げながら光の槍が貫通した。
光の槍が貫通すると続けて他の光の球と衝突した。
光の球が再び凄まじい閃光を放つと光の槍は光の球と共に対消滅した。
「助かりました。シグマ」
「礼はイプシロンが転移してからの話だ」
イプシロンに襲い掛かっていた光の球を二つ消滅させた悪魔——シグマはイプシロンを一瞥した。
光の球を二つ消滅させたが依然と光の球の数が両手で数えきれないほど存在していた。
「いいか。イプシロンは転移魔術の展開に集中しろ。その間我がイプシロンを襲いかかる光の球をなんとかする」
「分かりました。頼みますよ。シグマ」
シグマとイプシロンは互いのやる事を話すと先に動いたのはイプシロンだった。
イプシロンは地面に転移魔術の魔法陣を展開した。
それと同時に光の球達はイプシロンに向かって一斉に飛んでいく。
するとシグマは周囲にいくつもの光の槍を顕現してイプシロンに飛んでくる光の球に顕現した光の槍を放った。
放たれた光の槍と光の球が衝突すると光の球と光の槍は閃光を放ち魔の前の視界を真っ白にする。
シグマの放った光の槍は光の球を対消滅していく。しかし全弾対消滅できず、残りの光の球がシグマとイプシロンの眼前まで飛んでくる。
シグマは咄嗟にイプシロンに飛んでくる光の球に瞬時に顕現した光の槍を投擲した。
投擲された光の槍は光の球と衝突して閃光を上げて対消滅する。
イプシロンに飛んでくる光の球を消滅させると同時にシグマに飛んできた光の球はシグマに着弾して眩い閃光を上げた。