第四話(裏)
光の剣同士がぶつかり合うと火花を散らしながら鍔迫り合いになった。
鍔迫り合いになるとイプシロンはすぐに至近距離で光の剣から雷撃を放った。
放たれた雷撃に傍観者はすぐにイプシロンから距離を取り躱す。
傍観者の躱した雷撃は空中を移動する傍観者を追尾する。
傍観者の移動速度よりも速く雷撃が傍観者へ追尾する。そしてイプシロンの放った雷撃は傍観者の体に触れた。
雷撃に触れると傍観者は体中から火花が散った。雷撃を受けた傍観者はそのまま地面に落下していく。
地面に落下する傍観者はすぐに体勢を立て直して地面に着地した。
地面に着地した傍観者は宙に浮いているイプシロンへ視線を戻した。
「まさか今の雷撃でおしまいなんて言うんじゃないよな?」
「まさか今の攻撃ぐらいでは倒せないのは前の闘いで証明済みです。ですので私にも考えがあります」
イプシロンは構えていた光の剣を傍観者に向けて投擲した。
傍観者は投擲されたイプシロンの光の剣を自身の光の剣で弾き返した。
傍観者の光の剣に弾かれた光の剣は地面に転がるとすぐに光の粒子となって霧散した。
傍観者は光の剣を弾いた後すぐにイプシロンの方へ視界を切り替えたが、先程までいたイプシロンの姿はなかった。
「逃したか」
傍観者の一瞬の隙を狙ってイプシロンはこの場から消えていた。
しかし転移魔術を展開する時間まではなかった。つまりまだ近くにイプシロンがいる。
傍観者は空中に浮いて地面の見渡すとイプシロンはいつの間にか木々が茂っている林の中を移動していた。
「見つけらぞ」
そう言うと傍観者は光の球を周囲にいくつも顕現してイプシロンが移動している法へ放った。
放たれた光の球が地面に着弾すると土煙と共に土の破片が周囲に散らばっていく。
光の球が着弾していく中イプシロンは木々が茂る林の中を全速力で移動していた。
傍観者の攻撃をイプシロンはギリギリで躱していくが傍観者の放つ光の球の数が多いせいかイプシロンの外套に掠めていく
光の球が掠めたイプシロンの外套は燃え尽きた白い灰のように変化していた。
徐々に掠めていく光の球の数が増えていくとイプシロンの体は徐々に灰化していく。
その矢先、傍観者の背後からしびれるような価格が奔った。
傍観者は背後を視るとそこには二体の新たな悪魔が宙に浮いていた。
「なるほど。攻撃を躱していたのは、仲間を呼ぶための時間稼ぎか」
傍観者は今までのイプシロンの行動に納得した。
こちらの攻撃を防ぐのなら先程までのように魔術で対消滅すればいい。しかしイプシロンは魔術を使わずに避けていただけだった。
それは力を温存するためと時間稼ぎをするためである事。合点の言った傍観者はすぐに背後の悪魔二体を一瞥した。
「これで三対一。イプシロンが転移する時間を稼げます」
「それまでの間我らが相手しよう」
悪魔二体がそう言うと傍観者は後ろを振り返って口角を上げた。
「お前達の言っている事ができればの話だがな」
お疲れ様です。
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