第三話(裏)
魔王の部屋を出たイプシロンはすぐに根城から出てヒストリア能国の王宮へ向かった。
転移魔術を発動して王宮へ転移しようとする寸前、光の球がイプシロンに向かって飛んできた。
飛んできた光の球をイプシロンは咄嗟に火球を顕現して光の球へと放った。
光の球と火球が小得すると爆風っ共に爆炎が辺りに充満する。
イプシロンは爆炎に紛れて転移魔術を発動しようとした。しかし再び光の球がイプシロンの元へ飛んできた。
爆炎の中イプシロンは目の前に飛んできた光の球を咄嗟に後退して躱すと光の球が地面に命中して土煙と共に爆炎が吹き飛んだ。
爆炎が吹き飛ぶと光の球が放たれた方向に何者かが立っていた。
「これは過激な挨拶ですね。私達の敵」
イプシロンの視界には白装束の人物の姿が映った。
白装束の人物——傍観者は再びイプシロンに向けて光の球を放った。
傍観者が放った光の球をイプシロンは空中に移動して躱した。
傍観者が放った光の球は地面に着弾する直前、軌道を変えて空中にいるイプシロンへ飛んでいった。
イプシロンは空中を移動して傍観者の放った光の球を避ける。しかし光の球は軌道を変え続けイプシロンの元へ幾度となく飛んでいく。
イプシロンは幾度となく飛んでくる光の球を避けながら空中を移動しているといつの間にか傍観者も空中に上昇していた。
傍観者は手元に光の剣を顕現して構えた。そして傍観者は光の剣を構えたと同時に空中を素早く移動してイプシロンとの距離を詰めていく。
傍観者に距離を詰められたイプシロンは手元に光の剣を顕現して傍観者の光の剣と受け止めた。
鍔迫り合いになるイプシロンと傍観者の元へ先程までイプシロンを追尾していた光の球が襲い掛かってくる。
鍔迫り合いの状態で少しも動けなくなったイプシロンへ飛んでくる光の球を避けるのは不可能だ。
イプシロンは鍔迫り合いの状態から脱するために傍観者の方へ蹴りをかました。
傍観者はイプシロンの蹴りを咄嗟に躱すとイプシロンは傍観者から一気に距離を取った。
距離を取るとイプシロンに飛んできた光の球は空を通り過ぎた。
「さすがにこの程度の攻撃ではケリを付けられないか」
傍観者はイプシロンが距離と一気に空けると口を開いた。
今まで倒した傍観者と同じ容姿と声の傍観者にイプシロンは眉間に皴を寄せた。
「申し訳ございませんが、私は今用事がありませ射て。あなたの相手をしている暇はないのです」
「魔王の魔力が宿った魔石をノクトに渡す、そのために根城から出てきたのだろう?」
イプシロンの行動を読んだ傍観者にイプシロンはさらに眉間にしわが寄る。
「それを分かっているなら私の邪魔をしないで下さい」
「すまないが私もその魔石が欲しくてね。大人しく譲ってくれないか?」
「お断りします、と言ったらどうするのですか?」
「そうなれば力ずくで頂くまでだ」
そしてイプシロンと傍観者は口を閉じて互いが構えている光の剣で互いを斬りかかる。
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