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第一話(表裏)

 ヒストリア西部。

 イプシロンと合流する目的地に指定された廃墟にはすでにイプシロンが到着していた。

 イプシロンは廃墟の中で立っているとすぐの場の足元に転移魔術の魔法陣が浮かんだ。

 魔法陣から光の柱が立つとそこから四人の人影が現れた。


「お待ちしておりました。勇者の皆さん」


 姿を現した勇者四人にイプシロンは挨拶をした。

 転移魔術でイプシロンとの合流場所に到着した勇者四人は挨拶をしたイプシロンの方を見た。


「こちらこそ、お待たせして申し訳ございません」


 シルフィーは先についていたイプシロンに対して遅れてきたことを謝罪すると、「気にしてません」とイプシロンは返した。


「それで聖典の原本オリジナルがが見つかったってのは本当なのか?」


 ノクトは単刀直入にイプシロンへ質問した。

 ノクトの質問にイプシロンは懐から一冊の古びた本を取り出した。


「はい。正確には聖典の原本の一部ですが、見つけました」


 手元に取った古びた本——聖典の原本の一部をノクト達の方へ差し出した。


「それをどこで手に入れたのですか?」

「敵のアジトの一つに保管されていました。本来は魔王様と共に敵を滅するために戦闘をしていたのですが、敵を滅ぼした後偶然見つけました」


 シルフィーの質問に事細かくイプシロンは答えると、ノクトはイプシロンが差し出した聖典の原本の一部を手に取った。

 手に取った聖典の原本をノクトはめくって中を読み出した。

 読み出したノクトは中に書かれている奇妙な文字の羅列に目を丸くした。


「中は暗号化されていて普通には何が書いてあるか分かりません。ですが——」


 イプシロンが聖典の原本を指差すと指先から光の粒が漂い出して聖典の原本へ飛んでいく。

 飛んでいった光の粒が聖典の原本にぶつかると聖典は淡く光り出す。


「——解読法を知っている私達の手にかかればこのように読めるようになります」


 聖典が淡く光り出すとノクトは再び聖典の原本の中を読む。すると今まで読めなかった文字列がノクトが読める言語に変わっていた。

 ノクトの他にもシルフィーやファルコもノクトが持っている聖典の原本に目を通す。


「そこには過去に起きた真実が書かれています。私達はすでにその原本を複写済みです。良ければ勇者の皆さんにその原本をお譲りします」


 イプシロンの言葉にノクトを含めた勇者達があ驚愕した。


「驚く必要はありません。特に勇者シルフィー、先に協力関係を結ぼうと言ったあなたが驚かれると複雑です」

「すみません。いきなりの提案だったので、つい」


 イプシロンの言葉にシルフィーは咄嗟に謝罪した。

 協定を結んだとはいえいくら何でも聖典の原本の一部を譲ると言われれば驚くのも無理はない。


「それで原本には過去の事についてなんて書かれてたんだ?」

「それは読めばわかります」


 ラザフォードの質問にイプシロンはそっけない言葉を返した。


「まあいい。これさえあればいアまで読んできた聖典の記述の虚偽が分かる」

「待て」


 ノクトが本を閉じて懐に締まった直後ファルコは言葉を挟んだ。


「何でしょうか?勇者ファルコ」

「その本が聖典の原本である証拠はあるのか?」


 イプシロンの質問にファルコは目を鋭くして答えた。


「つまり私達が偽物の聖典を渡していると、そういう風にとらえられたのですか?」

「あくまで可能性の話だ。だがその疑いも晴れればお前のいう事を信じてやる」


 ファルコの言葉にイプシロンは嘆息した。


「聖典を直に持ってみみろ」


 イプシロンが嘆息しているとノクトはファルコに指示を出す。ファルコはノクトが持つ聖典に触れた。するとファルコの右手に刻まれている紋章が輝き出した。


「聖典は本来勇者や魔王様の力に呼応します。直に持っていたノクト様にはそれが分かっていたはずです」

「あぁ、だからこいつの疑いを晴らした。それでいいだろ」

「そうですか。分かりました。まだ私達との確執は除けていないようですね」


 ノクトが睨みつけるようなごん校をイプシロンに向けているとイプシロンはファルコやノクトの視線に今までの確執が今の状況を生んだことに気付く。


「まあいいです。私達悪魔は魔王様のいう事に従うだけ。あなた方がどう思われようと関係ありません」


 そう言ってイプシロンは黒い炎に体を包んだ。


「それではまた」


 イプシロンは最後にそう言い残すと黒いの炎ごと跡形もなく消えた。

お疲れ様です。

本日も読んで頂き誠にありがとうございます。

これからも投稿していきますので良ければ次話も読んで下さい。

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