第一話
ヒストリア王国王宮。
集会の間にて玉座に座わるシルフィーは目の前にいる三人に目を合わせた。
「この度は急な招集にも関わらず集まって下さり感謝します」
「そう畏まられるとむず痒いな。国王シルフィー」
「国王の前に私も勇者の一人です。ここでくらい、いつもの話し方で話させてください」
玉座に座るシルフィーにラザフォードはからかうように冗談を言うとシルフィーは真面目に返答をする。
「それで俺達を集めたって事は何かあったのか?」
「はい。これを見て下さい」
ノクトの質問にシルフィーは手元から一つの便せんを取り出した。
手元にある漆黒の便せんを持ったままシルフィーは玉座から立ち上がって勇者三人の元へ歩いていく。
三人の元へ辿り着いたシルフィーはノクトの方へ渡す。
「悪魔からの手紙です。便箋の中に入っている文字は解読できませんでした。ですがノクトなら読めると悪魔は言っていました」
シルフィーは悪魔からの手紙をノクトに渡すとノクトは手紙を受け取った。
シルフィーから受け取ったノクトは便箋の中の手紙を取り出す。
取り出した手紙に目を通すノクトの隣にいるファルコはノクトの読む手紙を訝しい表情で見ていた。
目を通したノクトは手紙の中身を口にする。
「『親愛なる勇者達の皆様。息災でしょうか。私達悪魔は先日の傍観者との闘いで掴んだ手がかりを元に残りの傍観者を滅ぼしています。その中で聖典の原本の一部を手にしました——』」
ノクトが手紙の内容を口にした直後、周りのシルフィー、ラザフォード、ファルコは目を間大きく見開いて驚愕した。
「『——それにあたり、勇者達に聖典の原本の一部を読んで頂きたくこの手紙を送りました。つきましては手紙に記されている場所まで勇者四人だけで来て下さい。イプシロン』」
イプシロンが記した手紙を読み上げたノクトは手紙の最期の髪を手に取るとそこには緻密に書かれた手書きの地図が記されていた。
「って書いてあるが、どうする?」
「どうするも何も聖典の原本を見る機会ができたんだ。罠であろうと行くべきだ」
ノクトが解読した手紙の内容を全て言葉にするとファルコは悪魔の罠である可能性が考えられる中指定された場所へ行く事を推奨する。
「お前が素直に目的地へ行くことを推奨するなんてな」
「僕も勇者の一人だ。悪魔だけなら今の僕達に敵わない。罠であろうと問題はない」
ノクトの懸念に対してファルコは問題ない理由を述べて目的地へ向かう事を主張した。
「まあ、俺も同意見だからいいんだが、ラザフォードさんとシルフィーはどうですか?」
「俺も二人と同意見だ。聖典の原本が読める機会はこれっきりかもしれない」
「そうです。悪魔だけであれば私達に危害を加えるとは考えにくいです。この機会を逃すのは愚策だと思います」
ラザフォードとシルフィーも二人の意見に弾道すると勇者四人は互いに目を合わした。
「それでは目的地へ向かいましょう」
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