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第三十一話(表裏)

 倒れた白装束の人物は床にうつ伏せに寝転んだ。

 白装束の人物が倒れ込んだ床には血の池ができていく。

 倒れた白装束の人物が徐々に顔色から血の気が引いていくとノクトは聖剣に付着した血液を振り払い鞘に納剣した。

 ノクトが鞘に聖剣を納剣すると白装束の人物は途端に不気味な笑い声をあげた。


「これで勝ったつもりか?ノクト?」


 そう言うと不気味に笑っている白装束の人物の体が急に火が灯った。

 火が灯ると体中に火が広がっていき体中を炎が覆った。

 覆われたた炎の中の白装束の人物はゆっくりと立ち上がっていくと、ノクトの聖剣で怪我をした傷跡が塞がっていく。


 時間が巻き戻されたかのように傷口が塞がっていくと白装束に広がって染まってしまった大量の血液も時間が巻き戻されたかのように元の純白になっていく。

 ノクトは咄嗟に白装束の人物から離れた。


「さっきの聖剣の一撃は痛かったぞ」


 傷が完全に塞がった白装束の人物は覆われている炎を手で振り払うと、まるで服に付いた埃が払わせるように体から払われていく。


「けどこの一撃で私を殺せなかったのは悪手だったな」


 距離を取ったノクトは覆われた炎を振り放った白装束の人物を睨む。

 白装束の人物は双剣を握り直して構えた。


「それにこれ以上服を切られるのも勘弁だ。そろそろケリを付けよう」


 白装束の人物は腹部と背中に空いた服の穴を触りながらノクトを見た。

 次の瞬間、白装束の人物の姿が消えた。

 それと同時にノクトの腹部から血が噴き出した。


「⁉」


 ノクトの腹部はいつの間にか鋭利な刃物で斬られた跡ができていた。


「ノクト!」


 シャルは急にノクトが斬られた姿を見て声を荒げると背中に焼けるような痛みが奔った。

 気付くとシャルの背中から血が噴き出していた。

 シャルは背中に奔る痛みに悶絶すると目の前には血が滴る双剣を握っている白装束の人物が立っていた。


「これはさっきのお返しだ」


 白装束の人物を見るノクトとシャルは斬られた箇所に奔る痛みで床に倒れた。

 白装束の人物は双剣に付着した血を振り払うと、垂れているシャルに双剣の切っ先を向けた。


「まずはお前からだ。シャルロット」


 白装束の人物はシャルに双剣の切っ先を向けると白装束の人物はシャルに向けて双剣を刺突する。


「やめろ‼」


 床に蹲っているノクトはシャルに刺突する白装束の人物を見て大声で叫んだ。

お疲れ様です。

本日も読んで頂き誠にありがとうございます。

これからも投稿していきますので気が向いたら次話も読んで下さい。

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