第二十二話(表裏)
ノクト達が姿を現したのは全てが純白の床が広がる空間だった。
「ここは——」
「よくここまで参られた。私の駒達よ」
ノクト達は現れた白の空間から聞こえる声の方を見るとそこには白装束の人物が大きな椅子に座っていた。
大きな椅子に座っている白装束の人物は身に付けている白装束に近い純白の髪と瞳、肌をしていた。
「ここまで来たのは予想外だった。だがそれもここまでだ」
白装束の人物は転移魔術で現れたノクト達を見ながら話し出した。
塔から聞こえた声と同じ声の白装束の人物は飄々とした表情を浮かべていた。
「それはどうでしょうか?」
白装束の人物の言葉に割り込んだ悪魔の一体は光の剣を顕現した。
そして光の剣を顕現した悪魔の一帯は白装束の人物の元へ飛んでいくと光の剣を構えて斬りかかる体勢を取った。
「⁉」
光の剣を構えた悪魔が白装束の人物に斬りかかった直後、悪魔の手には光の剣がなくなり、斬りかかった悪魔の胴体を光の剣が貫いていた。
「だから言っただろう?駒であるお前達の好き勝手はここまでだ。それが分かったらここで消えてもらう」
斬りかかっていたはずの光の剣がいつの間にか自身の胴体を貫いていた悪魔に白装束の人物は座っていた椅子から立ち上がり斬りかかろうとした悪魔に回し蹴りをした。
白装束の人物から回し蹴りを喰らった悪魔は一直線に元居た場所まで蹴り飛ばされた。
「大丈夫ですか⁉ユプシロン!」
光の剣が胴体を貫いていた悪魔——ユプシロンへすぐに駆け寄ったイプシロンはユプシロンに刺さった光の剣を引き抜いた。
イプシロンが光の剣を引き抜くと、ユプシロンの胴体を貫かれた傷口から徐々に灰へ変わっていった。
「その悪魔はどうしようが手遅れだ」
白装束の人物は徐々に灰へと変わっていくユプシロンを見ながら平然とした表情で見ていた。
するとイプシロンは白装束の人物に向けて魔術を展開した。
白装束がユプシロンの青葉にいるイプシロンを見ていると白装束の足元に魔法陣が浮かび上がる。
浮かび上がった魔法陣から凍てつく空気が噴き出して白装束の人物の足元を凍り付かせる。
凍り付く足元かが徐々に白装束の脚を氷漬けにしていく。
「こんなもので私を止められると思っているのか?」
氷漬けにされていく白装束の人物が一瞬にして姿を消した。
ついさっきまで椅子の近くにいた白装束の人物は瞬く間にイプシロンの近くに立っていた。
一瞬にして椅子の近くからイプシロンの傍に移動した白装束の人物はイプシロンに拳でイプシロンの鳩尾を突いた。
拳を突かれたイプシロンは苦悶の表情を浮かべて突き飛ばされた。
「これで分かったか?暇つぶしは終わりだ」
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