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第二十五話

『さて、どうする?魔王の眷属達よ』


 悪魔達は塔の中のいたるところに取り付けられた鉄扉の仕掛けに入っていった。

 その鉄扉のすべてが別空間に繋がっていて、元の場所に戻るためには移動した空間の守護を担っている怪物達を殺す他にない。


 悪魔は勇者の聖剣でしか滅ぼす事ができない。

 しかし滅ぼす一歩手前まで消耗させる事は出来る。

 いくら悪魔とはいえ、鉄扉に繋がる別空間を守護する怪物相手に連戦すれば消耗する。

 そして鉄扉の守護怪物を倒しきったところで塔の主にはたどり着けない。


『魔王の完全復活まではしばらくの時間がかかる。そして勇者はここへ来るための手掛かりがない。さてどうする?』


 塔の中に響く声はまるで遊びを覚えたばかりの子どものように愉悦に満ちた声音でしゃべっている。

 そんな時、塔の壁が吹き飛ばされて壁の瓦礫が塔の中に舞い上がった。


「だったら俺達が相手しようか?」


 塔の壁を吹き飛ばしたノクトは塔の中へ足を踏み入れると塔の中から吹き抜けの天井を見た。


『ほう。私の贈り物がお気に召したようだな?』


 塔の中に聞こえる声はノクトの様子を窺ったかのような言葉を口にした。


「あぁ。あの手鏡のおかげでここに来れた」


 そう言うとノクトは懐から手鏡を出した。

 取り出した手鏡には党の外の景色が映り込んでいた。


「気に食わなかったが、魔王からこの場所を知らされた」

『まさか、悪魔が手鏡を持っていたとは、私も失念していたようだ』


 塔の中に聞こえる声は予想外のサプライズに驚くもどこか喜びを感じる声音だった。


『だが、ここにノクト一人が来たとして状況など変わるわけがない』

「その通りだな。俺一人が来た所で状況は変わらない。けそな、俺が一人で特攻すると思ったのならそっちの方がバカだぜ?」


 ノクトが壁を吹き飛ばした瓦礫が舞い散ってから周りの粉塵が落ち着くとそこにはノクト以外に三人の人影があった。


『なるほど。勇者全員でここへ来るとは』


 粉塵が完全に床に落ちるとそこにはラザフォード、シルフィー、ファルコの姿があった。

 そして勇者四人全員の両目、両手、両足にはそれぞれ勇者の紋章が刻まれていた。


『私の贈り物を勇者の力の複写と転移に最大限生かしたようだな?勇者達よ』

「この案は私達が考えたものではありません」

『ほう。なら誰からその《写し鏡》の使い方を教わった?』


 塔に響く声は返答してきたシルフィーに尋ね返した。


「魔王です」


 シルフィーの返事を聞いた党の声は少しの間声を出さずに固まっていたようだった。


『まさか、勇者が魔王のいう事を聞くとはな、これまた予想外だ』

「勘違いするな。僕達は魔王のいう事を聞いたわけではない。魔王を滅ぼすのに必要な力を手に入れるためにその使い方を選んだ」


 再び驚く子話の主にファルコは気に入らない様子で聞いた発言を訂正して事実を述べた。


『それよりここへ来たという事は勇者達も個々で私を倒すのか?』

「あぁ。これ以上お前なんかに振り回されたくはないからな」


 ラザフォードは若干渋い表情を浮かべて塔の子wに返事を返した。


『たかが私の駒でしかない勇者如きの存在で。その言葉がただの虚言でない事を証明してみろ』


 塔の声は勇者達の返答とその凛として覚悟の決まったいで立ちに喋りかける声が若干苛立ちをはらんでいた。


「あぁいいさ。証明してやるよ。ペテン師が」

胃疲れ様です。

本日も読んで頂き誠にありがとうございます。

これからも投稿していきますので良ければ次話も読んで下さい。

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