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第十二話(裏)

「まったく、ユプシロンに召喚されたと思えばこんな砂漠に呼び出されるとは」

「文句は後で聞きます。なので今は目の前にいる敵を倒すのが先です。ゼータ」


 鉄扉の先に移動して広がる砂漠の風景の先には砂地獄で砂漠の砂を呑み込まれていく光景があった。

 その砂地獄の中央には刺々しい黒い鱗を纏った怪物が顎を剥き出していた。


 砂地獄から顎を向き出している怪物は巨大な三つ目の視線をユプシロンとゼータに向けた。

 砂地獄の怪物は耳を劈く咆哮を上げた。

 咆哮を上げた砂地獄の怪物は巨大な三つ目から赤い光線を照射した。

 巨大な三つ目から照射された赤い光線は一直線にユプシロンとゼータに向かって直進する。


 ユプシロンとゼータは向かってくる光線を躱すと二体は同時に浮遊魔術を発動して砂地獄の怪物の頭上へ飛び上がった。


「敵の方は私達を本気で殺そうとしてますね」

「それもそうだ。自分の縄張りに突然現れたのだ。攻撃を仕掛けるのも当然だ」


 ユプシロンとゼータは浮遊魔術で空中に飛翔すると二体は雷球を顕現して砂地獄の怪物に向かって放つ。

 放たれた雷球はすぐさま砂地獄の怪物へ飛んでいき、雷球が雷鳴を轟かせながら稲光の閃光が爆発した。

 雷球が爆発すると砂地獄の砂は空中に舞い上がり黒々とした破片が飛び散った。


「さすがにこの程度の魔術では殺せませんか」


 ユプシロンは稲光が爆発したあとの砂地獄の中央を見るとそこには刺々しい鱗がところどころ砕けた怪物の姿があった。

 爆発によって砕けた鱗の亀裂は時間と共に塞がっていき数秒としないうちに雷球が衝突する前の姿に戻った。


「しかも、傷の再生速度も並外れている」


 元の姿に回復した砂地獄の怪物にゼータは舌打ちをして睨んだ。


「ですが傷を負わないわけではありません。再生するよりも早く攻撃を仕掛ければ問題ないでしょう」


 ユプシロンはそう言うといくつもの雷球を顕現した。

 顕現したいくつもの雷球を砂地獄の怪物に放つとユプシロンは同時に雷球を顕現し続ける。

 いくつも放たれた雷球に衝突するとすさまじい閃光と雷鳴を轟かせ続け、砂地獄の怪物の鱗が砕けていくと同時に砂地獄の鱗が亀裂が塞がっていく。


 手を緩めずに雷球を放つユプシロンは徐々に魔力の消費のせいで元々いびつな顔がより歪んでいく。

 雷球の爆発が連鎖してより強烈な爆風が吹き荒れると怪物は咆哮を上げた。


 それは痛みによる悲鳴ではなく攻撃した敵への威嚇の咆哮だ。

 咆哮を上げた怪物の眼から光線が照射されるとユプシロンの放つ雷球を貫通してユプシロンの肩を掠めた。

 光線が掠めたユプシロンの肩から赤黒い飛沫が散った。


「どうやら相手も本気になったようだ」


 肩から血を垂らしているユプシロンを一瞥したゼータはすぐに砂地獄の怪物を見た。


「そうみたいですね。ですがここで撤退しても元の場所へ戻る前にこの怪物は私達を追ってくるでしょう」

「最初から私はこの怪物を殺すつもりだ」


 互いに言葉を交わした二体は完全に本気になった砂地獄の怪物に向かって魔術を仕掛けた。

お疲れ様です。

本日も読んで頂き誠にありがとうございます。

これからも投稿していきますので良ければ次話も読んで下さい。

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