????話
ノクトは今周囲が暗黒に包まれた空間に立っていた。
この空間にはノクトは見覚えがある。
「また夢の中か」
ノクトは今まで経験した中で最近見てないかった夢の中に渋い顔を浮かべながら目の前を見た。
「あんたと顔を合わせるのもひさしぶりだな?」
『そのとおりだな。ノクト』
ノクトの目の前には人の姿に形作られた魔力——魔王がいた。
魔王はノクトの方を向いて頭の中から話すとノクトはより渋い顔に変わっていく。
「単刀直入に聞く。あんたらはなぜ勇者の紋章を狙った?」
ノクトは鋭い眼光で魔王を睨みつけながら質問した。
そんなノクトに対して魔王は平然とした様子で答える。
『我の完全復活のためだ』
魔王がノクトの質問に答えるとノクトは目を大きく見開いた。
『我の魔力の一部はノクトの体に順応している。だから我の魔力の欠片を取り出す事は出来ない。だから予定を変更した』
魔王は平然と会話を続けるとノクトは自身に流れる魔力を一瞥した。
以前、魔王の魔力の欠片を自身の体に取り込んでしまった。普通の人間では猛毒になる魔王の魔力も今ではノクトの体に馴染んでいる。
そのため魔王は全ての魔力を回収できず完全復活ができなかった。
しかし他にも復活する方法がある事を知らされたノクトは驚きを隠せなかった。
『勇者の紋章を使えば全盛期以上の力を手にできる。そして今度こそ世界を平和へ導く』
「大層な目標だが、俺はあんたの存在を否定する。勇者として、そしてジジイを殺した奴として」
ノクトは今まで以上に眉間にしわを寄せて魔王を睨みつけた。
『まだ我の考えに賛同してくれないのか』
「あいにく、俺は勇者なんでね」
魔王は睨みつけてくるノクトに何一つ動じていなかった。
『久しぶりに顔を合わせてどうだった?ノクト、魔王』
魔王に鋭い眼光を受けていたノクトの耳に最近ン聞いた声音が聞こえた。
ノクトは周囲を見渡すが暗闇の中の視界には魔王以外誰もいなかった。
『貴公がシャルロットの言っていた者か』
『その通りだ。魔王』
魔王にも聞こえる声に魔王は周囲を見渡す動きを見せた。
『今度は何の用だ?』
『何の用だとは不躾だな。私の力で互いの精神を共有しているのだ。感謝してほしいくらいなのだが』
「俺はそんな事望んでない」
魔王とノクトは眉間にしわを寄せて声の主の言葉に突っかかった。
『そうか。だがわざわざ私がこの場で話しているのは理由がある』
「理由?」
『そうだ。魔王の完全復活を待つ間にノクト。お前に一つ選択肢をやろうと思ったのだ』
声の主の言葉にノクトは今までになく眉をひそめた。
『このまま魔王が完全復活して魔王が世界を統率する道か、私の言う事を聞いて魔王と互角の力を得るのか。ノクトはどちらを選ぶ?』
お疲れ様です。
本日も読んで頂き誠にありがとうございます。
これからも投稿していきますので良ければ次話も読んで下さい。