第二十一話
ノクト達に上機嫌で話をする声の主は再び話を続ける。
『ノクトの知っての通りシャルロット達悪魔側は勇者の紋章を全て手にした。これで魔王は完全復活する』
「⁉」
声の主の言葉にノクト達は驚愕で顔をしかめた。
『しかし、完全復活するには時間がかかる。だからこそ攻め込むなら今しかないぞ?』
「なぜそんな事まで知ってるんだ?」
ノクトは声の主の言葉に疑問を持つとその疑問について声の主に尋ねた。
『言っただろ?私はお前達を動かして暇つぶしをしていると。だから勇者側、悪魔側、両者の動きも把握している』
上機嫌な声音で声の主はの句tの質問に答えるとノクトは続けざまに声の主へ質問する。
「なぜ俺達で暇つぶしをしてるんだ?」
ノクトは静かにそれでいて威圧的な声音で声の主に質問した。
『そんなの簡単だ。今までの世界が退屈極まりない世界だったからだ』
声の主の発した言葉にノクトは腸が煮え繰り返る感覚を覚えた。
「それだけの理由で俺達が殺し合うような出来事すら用意してたって事か?」
『そのとおりだ』
「あんたは人の命を何だと思ってんだ!」
ノクトは声の主の返答に怒りを露わにした。怒り心頭のせいかノクトは声を荒げたことが原因で痛みが奔る事など気にせず声の主に抗議した。
『私にとっては人の命など些末なものだ。人の命など私の暇つぶしのために存在するのだ。それを使って遊戯しようが私の勝手だ』
抗議したノクトに声の主は悪びれもせず、というより自身の言動が正解とばかりに返答するとノクトは怒りが呆れに変わっていった。
「あんたは神にでもなったつもりか?」
ノクトは怒りの熱が冷え切り呆れた声音で声の主に問いかけた。
『その言葉は言い得て妙だな。私は神々に最も近い存在。だからこそお前達が何を言おうが私の手の内で踊っているのが当たり前なのだ』
ノクトが問いかけた言葉に対する声の主の自身の発言は悪そのものであると思っていない様子だった。
「……何が神々に最も近い存在だ?人の命を駒扱いするあんたはただの大罪人だ。神を名乗るつもりなら盗人猛々しいぞ」
『ほう?なら私を倒すと言うのか?』
「そのつもりだ。あんたはこれからも俺から大切な人達を奪おうとしている。だから俺はあんたを殺してでもあんたの謀略を止める」
ノクトは声の主に対して敵意の籠った言葉をぶつけた。
『できるものならやってみろ。駒の一つでしかないノクトがどこまでできるか見ものだ』
声の主は鼻で笑うような言葉をノクトに言うとノクト達の耳から声の主の気配が消え去った。
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これからも投稿していきま野すので次話も読んで下さい。