第七話(裏)
どこにいるのか分からない声の主の声が聞こえなくなるとシャルはそのまま根城の一室へ向かう。
「あなたはどう思います?ミュー?」
「何がですか?ユプシロン?」
その場にいたユプシロンはシャルと共に行動していたミューに声をかけた。
「先程の声の事です」
「その事ですか。確かにこのタイミングで私達に話をしたのは裏があるように思えます」
声の主が話していた「暇つぶし」で謀略を企てていることにミューとユプシロンはまだ声の主が語っていない事があると推測した。
シャルが《写し鏡》を奪うための謀略を仕掛けた声の主は気まぐれなのか計画なのか定かではないが、明らかにこちら側を上手く誘導していた事を理解した。
「魔王様にもこの声は伝わっているはずです。まずは魔王様の指示を仰ぎましょう」
ユプシロンは不明瞭な声の主の意図に困惑した様子で魔王の指示を仰ごうとする。
「そうですね。じきに魔王様も復活します。そうなれば声の主が誰であろうと造作もないでしょう」
ミューは復活の儀で直に復活する魔王の力を理解している。その力を理解しているからこそ声の主が誰であろうと魔王にはかなわない。
「それはそうですが、声の主は私達だけでなくノクト様の事も言ってました。気を抜いてはいけません」
ユプシロンはミューの発言に油断しないようくぎを刺した。
こちら側の戦力が万全でもノクト達勇者側はそうとは限らない。
「とりあえず今は魔王様の指示を待ちましょう。私達が動くのはその後でも構わないはずです」
「そうですね。私達にできる事を待ちましょう」
そう言ってミューとユプシロンは復活まじかの魔王の指示を待つ事にした。
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