第七話(表裏)
間合いを詰め寄るシャルにファルコは聖剣を構え直した。
構え直した聖剣にファルコは右手の紋章の力を注ぐと、ファルコの構える聖剣の刀身が眩く輝いた。
聖剣の切っ先から光の束が集まり一本の線が生まれる。
ファルコは切っ先の光の線をシャルに向かって放った。
ものすごい速度でシャルの元へ放たれた光線にシャルは咄嗟に体勢を変えて躱す。
攻撃を躱したシャルにファルコはそのまま間合いを詰めた。刀身が眩く輝く聖剣をシャルに向かって斬りかかるとシャルは握っている光の剣で受け止める。
ファルコの聖剣術を帯びた聖剣を受け止めたシャルの光の剣は今までになく強い光を放っていた。
シャルは高出力で魔力を注いでいる光の剣は先程よりも強度を上げているが勇者の聖剣にはかなわないようだった。受け止めてすぐに光の剣から軋む音が聞こえた。
シャルは鍔迫り合いの中で光の剣から聞こえた軋む音に対して、すぐに受け止めた聖剣を流した。
シャルが聖剣を流すとファルコはすぐに聖剣術を発動した。
ファルコは鍔迫り合いから流された後すぐに体勢を立て直して聖剣をシャルの握っている光の剣に斬りかかった。
ファルコの斬りかかった聖剣はシャルの握っている光の剣に衝突すると、光の剣は甲高い音を上げて折れた。
光の剣が折れるとファルコは一瞬の隙を狙いシャルに聖剣で斬りかかる。
その一瞬、シャルはファルコの斬りかかった右腕を掴み流れるような体捌きでファルコの背後に回り右腕の関節をきめた。
「だから言ったんです。今の私に距離を詰めるのは悪手だと」
ファルコの右腕の関節をきめたシャルは苦悶の表情を浮かべるファルコに対して告げた。
関節をきめられているファルコは痛みで関節をきめられている右腕だけでなく体中の力が上手く入らず身動きが取れなくなった。
ファルコの右腕の関節をきめているシャルは黒の外套の中から手鏡を取り出してファルコの右手の方に近付けた。
手鏡がファルコの右手の甲を映すと、右手の紋章から光の束が溢れ出して手鏡の方へ吸い寄せられていく。
手鏡に吸い寄せられる光の束は奔流しながら吸い寄せられていくと少しして全て手鏡に吸い取られた。
光の奔流を吸い取った手鏡には複雑な文様が刻まれていた。
「これであなたは用済みです。勇者ファルコ」
複雑な文様が刻まれた手鏡を見たシャルはファルコの関節をきめている右腕を振り回して投げ飛ばした。
投げ飛ばされたファルコは地面に衝突する直前受け身を取ってなんとか地面に衝突する衝撃を和らげた。
関節をきめられていた右腕は投げ飛ばされた影響で脱臼していた。
ファルコは右腕を押さえて苦悶の表情を浮かべていると、シャルが羽織っている黒の外套が黒い炎に変わりシャルを包むと、黒い炎が消えた瞬間シャルの姿諸共消え去っていた。
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