第四話(裏)
「戻ってきましたね」
悪魔の根城に戻ってきたシャルにガンマは声をかけた。
「どうでしたか?」
ガンマは戻ってきたシャルに質問した。
ガンマの質問にシャルは何も口にせず持っている手鏡を見せた。
「おぉ!手に入れてきたのですね!」
ガンマに見せたシャルの手鏡には幾何学的な複雑な文様が刻まれていた。
文様が刻まれている手鏡を持っているシャルはそのまま根城の奥へ進んでいった。
「ミューよ。シャルロットに何かあったのですか?」
シャルとともにラザフォードと戦ったミューにガンマは質問した。
「何があったとはどういうことですか?ガンマ?」
シャルとともに動いたミューに質問したガンマに質問を返した。
「ミューも気付いているはずです。明らかにシャルロットは上の空です」
「そうですね。けれど、こなすべき事は確実にこなしているのですからいいのでは?」
「それとこれとは別です。このままではこなしている事もままならなくなる可能性があります」
ガンマはミューに懸念している事を話すとミューは「確かに」と呟く。
「我々のなすべき事はすでに最終段階です。ここから我々はシャルロットの支援しかできません。だからこそシャルロットの些細な事でさえ支援する必要があります」
「確かにそうですが、シャルロットもそのことぐらいは理解しているはずです。それでも我々に話していないのはシャルロット自身が話したくないからだと思いますよ」
ガンマとミューはシャルの些細な気持ちの機微を汲むべきか話していると頭の中に意識を共有していく者がいた。
『おそらくシャルロットは我々に気を使って話したがらないのだろう』
「「魔王様!」」
意識を共有した魔王にガンマとミューは驚いた。
『何より最終段階の策にシャルロットは元々気乗りしていなかった。それでも我々の策に付き合っているのだ。それだけでも良しとするべきだ』
シャルは今回の策に元々賛同していなかった。魔王と悪魔の祈願の成就のために行動している。
「ですが魔王様。気乗りしていないとはいえシャルロットも我々の祈願のために行動しています。失敗すればシャルロットにも被害が出てしまいます」
ミューは魔王に最終段階の要であるにも賛同的でないシャルの事について案じていた。
ミューを含めて悪魔達はこの数年間共に行動して少なからずシャルに思い入れがある。
身を案じているからこそシャルには失敗して身を滅ぼしてほしくないという思いもある。
『あとは我がシャルロットと話す。ミューとガンマは次の準備をしてくれ』
そう言って魔王はミューとガンマの意識から離れた。
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