第二話(裏)
シャルは魔王の部屋を出た後すぐにある部屋へ足を運んだ。
奥の部屋に到着したシャルは少々重々しい雰囲気を漂わせて扉を見た。
シャルの見ている扉の取っ手を掴むと、シャルは扉を開いた。扉を開くと家具一つない部屋はシャルの部屋よりも殺風景な光景だ。その中心にあるベッドの上には一人の少女が横になっていた。
「おはよう。アンリ」
シャルは微笑みを浮かべ腰を落とした。ベッドの近くにいるシャルはベッドに横になっているアンリを見た。
双子なだけはある、髪の色、肌の色、顔立ち、体格、全てが瓜二つのシャルとアンリは、悪魔の根城に来てから二年以上が経過して未だにベッドの上で寝そべっているアンリと不自然な程に酷似していた。
アンリが何も返事を返さないまま目を閉じているアンリの傍で手を握ったシャルは握ったアンリの手の甲を自分の額まで持っていってくっつけた。
シャルの額と握った手にはアンリの手のぬくもりが優しく伝わってきた。
これも英傑の転生者としての力なのだろう。二年以上も寝たきりのアンリはシャルの容姿と酷似するよ言うのは確実にあり得ない。
どうしたって二年以上寝たきりであれば筋肉はかなり衰えてやせ細る。
それなのに体中健康体で日常的に動いているシャルの体との違いに遜色ないのはあまりに異常だ。
「今日も元気で良かったよ。明日も顔を合わせるからね。またね、アンリ」
そう言うとシャルはアンリの手を握っていた手をゆっくり放して手をベッドの上に置いた。
「これから、アンリの望む世界を造る準備をするから。待ってて」
アンリの部屋を去る直前、シャルはゆっくり扉を閉じてアンリの部屋を出た。
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