第六話
「そろそろシルフィーに届く頃だろう」
ノクトは国境の関所の近くまでたどり着くと、ぼそっと呟いた。
ノクトはシルフィーに魔術で操った小鳥に届けさせた伝聞が届くころだろうと呟くと目の前の関所にいる番人の方へ進んだ。
ノクトは歩いて国境の関所へ到着すると関所の番人はフードを被ったノクトの顔を覗こうとした。
「関所の通過証を見せて下さい」
関所の番人から告げられた言葉にノクトはフードを外したうえで懐に締まっていた通過証を見せた。
ノクトがフードを外した直後、通過証を見せるように声をかけた番人やその近くにいた人間全員が一気に腰を落として跪いた。
「ぶ、無礼な態度を取ってしまい誠に申し訳ございません!ノクト殿!」
通過証の提示を頼んだだけの番人は目の前のノクトの姿を見た瞬間顔を青ざめた状態で膝マスいたまま体を小刻みに震えていた。
「頭を上げてくれ。それとそこまで腰を落とすな。俺はそこまで偉い人間じゃない」
ノクトは跪いた状態の周囲の番人達に頭と腰を上げるように告げた。
「ですが、我々のヒストリア王国を救った英雄である勇者様に対して不躾な対応はできません!」
「俺がいいと言ってるるんだ。だからやめてくれ」
番人が一向に頭を上げない事に困ったノクトは命令口調で頭を上げるように告げた。
ノクトの命令口調の言葉に番人達はすぐに跪いた体勢からすぐに立ち上がった。
「それより、俺がこの関所を超えて他国へ向かう事は他言無用で頼む」
「それはまたなぜでしょうか?」
ノクトの頼みを聞いた番人の一人はなぜ黙秘するように頼む理由を尋ねた。
「それは知らない方が身のためだ」
番人の質問に対して声を低くして番人を威圧するように声を発した。ノクトの威圧感溢れる発言に番人は一瞬恐怖で背筋に冷や汗が伝った、
ノクトの言葉で万人はそれ以上何も尋ねることをやめてくれたおかげで、ノクトは通過証を懐に戻して関所の門を潜ってヒストリアの国境を越えた。
ノクトが国境を越えると視界に広がるのは関所に向かう前よりも周囲の道の舗装が行き届いていた。
「さすが、貿易国で有名なザイロン。国境付近でも道の舗装が行き届いているな」
ノクトがぼそっと呟くと舗装された未知を真っ直ぐ歩いて行った。
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