表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
183/336

第二話(表裏)

 ノクトは赤い剣が鞘の中で落ち着いたのを見た後、宿を取っていた村へ踵を返した。

 村に戻ったノクトはすぐに宿を取った部屋へ戻っている途中、村から急に爆風が吹き荒れた。


 すさまじい衝撃波と共に吹き荒れた爆風により村の建物の一部が瓦礫と化した。

 急な爆発が起きた村に到着していたノクトはすぐに爆発の発生源へ足を進めた。


 爆発の発生源へ到着したノクトの視界に広がるのは久しぶりに見る者だった。

 全身を覆う黒い外套に人間とは似ても似つかない異形の人相。悪魔と呼ばれる者は爆発で抉れた地面の中心に立っていた。

 ノクトは姿を現した悪魔を睨みつけた。


「お久しぶりです。ノクト様。お会いできて光栄です」

「俺はお前らとは会いたくなかったけどな」


 ノクトに恭しく挨拶をする悪魔に対してノクトは苛立ちの表情を見せて返答した。


「それで今度は何が目的でここに来た?」


 ノクトは鞘に納まった剣の柄を握りすぐに抜剣できる準備を取って悪魔に問いかけた。


「そうですね。魔王様からの伝言を伝えにノクト様に直接お会いした、と言えば素直に話を聞いて下さいますか?」


 悪魔はノクトが臨戦状態な事に気付くと話し合いをしに来た事を伝えて臨戦状態を解いてもらうように話す。

 ノクトは視界に映る悪魔に戦意を感じられなかったので警戒心を緩ませずに剣の柄から手を放した。


「魔王からの伝言ってのは何だ?さっさと教えろ」


 ノクトは早急に魔王からの伝言を放すように目の前の悪魔に命令した。


「まず一つ目はノクト様と魔王様の意識を共有させている者が勇者側に何かしらの行動を起こそうとしている事をお伝えします」


 悪魔の言葉にノクトは訝しげな表情を見せた。


「それともう一つ、我々悪魔は勇者の方々に宣戦布告をします」


 悪魔の言葉を聞いた瞬間今まで戦意のなかった悪魔から奔流するような繊維が溢れた。

 ノクトはすぐに剣の柄を握り抜剣しようとするが、ノクトが剣を抜くよりも一瞬早く悪魔がノクトの懐へ入り込んでいた。


 ノクトの懐へ入り込んだ悪魔は掌から光の剣を顕現した。顕現した光の剣をノクトの方へ斬りかかろうとした。

 ノクトは剣での防御では間に合わないと判断して風の魔術で懐に飛び込んだ悪魔を吹き飛ばした。

 ノクトの風呂頃に入り込んだ悪魔が光の剣で斬るよりも速くノクトの魔術が発動して吹き飛ばされた悪魔は先程よりも距離を取った。


 村人達はノクトと悪魔の戦闘が始まってすぐに村の外へ逃げ去り出した。


「流石はノクト様。私が斬りかかるよりも先に魔術を発動させるとは」


 悪魔の言葉ア通りノクトは悪魔が光の剣で斬りかかるよりも先に魔術を発動させて悪魔を吹き飛ばした。ノクトはその事実よりも、今までノクトに本気で攻撃を仕掛けてこなかった悪魔が今回は本気で殺すつもりで攻撃を仕掛けた事に驚愕した。


 ノクトは再び剣を抜くために使を握ろうとする。そのわずかな時間を悪魔はノクトの懐へ飛び込む。

 ノクトは懐に飛び込む悪魔を再び魔術で吹き飛ばして距離を離した。


「どういうつもりだ?」


 ノクトは目の前にいる悪魔を睨みながら話しかけた。


「俺が剣を抜く前に飛び込んではわざと俺の魔術を受けている。決して躱せない距離でもないのになぜわざわざ魔術攻撃を受けた?」

「ノクト様にはお見通しでしたか」


 ノクトが感じた違和感を口にすると悪魔は見抜かれた事象に対してノクトを称賛した。

 ノクトは明らかに何かを狙っている悪魔の行動により一層警戒心を駆り立てた。

お疲れ様です。

本日も読んで頂き誠にありがとうございます。

これからも投稿していきますので良ければ次話も読んで下さい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ