第二話
ヒストリニア国境付近。
ノクトはヒストリニアの隣接国、アーフェルへ向かっていた。
ノクトが王都から去って半年。
国を裏切り反旗を翻したヒストリニアの聖騎士を討った英雄である勇者の一人が姿をくらましたという噂がすでに国中に知れ渡っていた。
しかしその真相を知る者は聖騎士レイノスを討ったノクトしか知らない。
レイノスは元国王のレイモンドと聖母教皇サイグリューを殺してヒストリニアを乗っ取ろうとした。
そう噂されているがその実、魔王の子孫であり勇者であるノクトの身を案じ、国の平和のために国民から愚王と評されていたレイモンド王を殺して次の王に勇者であるシルフィーに変えるためレイノスは自ら汚名を被った。
レイノスの最期の言葉、他宗教の聖典を集めて、聖典の原本を手に入れてこの世の本当の姿を探る、という使命を託された。
そのためにノクトは最初に武器を揃える事から始めた。
ノクトの持っていた聖剣は王都を去った時に王宮へ置いてきた。そのためノクトは真っ先に聖剣を見つける事から始めた。
旅の道中で立ち寄った村の噂で聖剣の力による疫病の被害を聞いてすぐノクトは聖剣の被害を解決して聖剣を手に入れた。
聖剣を手にしたノクトはすぐに他国へ渡るために国境を目指した。
国境付近の村に到着するとノクトはすぐに宿を取った。
宿屋の一室を取ったノクトは部屋に入るとすぐに部屋の窓を開けた。
窓を開けたノクトは一枚の白紙を手に取った。するとノクトが開けた窓に向かって羽ばたく小鳥が近付いてきた。
ノクトは手に取った白紙を窓の近くに置くと、窓に止まろうとする小鳥はノクトの置いた白紙の上に止まった。
白紙の上に止まった小鳥はすぐに光の粒子に変わり白紙の上に積もった。
白紙の上に積もった光の粒子は白紙の上に溶け込むように消失していき、白紙だった紙に何か文字が記された。
何か記された紙を手に取ったノクトは記された文字を読み出した。
『ノクト、いかがお過ごしでしょうか。
国王として就任して半年が経過しました。
未だに私が国王になった実感がわきません。
ホホは私達勇者の眼の届く場所で引き続き保護をしています。心配はしなくて大丈夫です。
そして先日の疫病が蔓延した村の問題を解決して下さり感謝します。
報告を兼ねて王都へ招集を掻けようと考えています。ですので王都へ戻ってきてください。
シルフィー」
手紙を読み終えたノクトはすぐに読んだ手紙を魔術で燃やした。
燃えた手紙はすぐに灰となって窓の外に吹く風に飛ばされた。
「戻れるかよ」
灰と化した手紙が風に乗って飛ばされるとノクトは苦虫を噛み潰した表情を浮かべて呟いた。
灰が全て飛ばされるとノクトは部屋の窓の戸を閉じた。
ノクトはそのままベッドに寝そべった。
お疲れ様です。
帆に自摸読んで頂き誠にありがとうございます。
これからも投稿していきますので良ければ次話も読んで下さい。