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第四十七話(裏)

 差し込む光が一瞬、閃光のように強烈な輝きを放つとシャルの手とレイラの体の間に赤い魔石が装飾された手鏡が顕現した。


「レイラさん。《写し鏡》を体から摘出しました。吉良打の方はどうですか?」


 シャルはレイラの体から依り代となった《写し鏡》を体外に摘出するとレイラに声をかけた。


「……やっと体の自由が利くようになったわ」


 地面にうつ伏せに倒れているレイラの口から出た言葉に先程までの束縛感がなくなっていた。

 それでも先程のシャルの封印術でレイラは体の鈍重感は抜けていなかった。


「今、封印術を解きます。そのまま体を楽にして下さい」


 そう言うとシャルはレイラに施した封印術を加除した。

 シャルが封印術を解除するとレイラは体に力が入るようになった。

 レイラにかかった封印術が解けるとうつ伏せに倒れた体を自力で起きようとする。


「無理しないで下さい!レイラさん!」


 自力で起きようとするレイラにシャルは手を差し伸べて起きようとしたレイラを支えた。

 封印術が解けて体の自由が利くようになったみたいだが予想以上にレイラの体は疲弊しているように見えた。


「やっぱりまだ《写し鏡》に順応できてなかったわね。《写し鏡》の言い様にあ奴されてしまったわ」


 そう言うとレイラは《写し鏡》の意志に抗った反動によって体の疲労を拭いきれずにいた。

 体を起こしたレイラは体外へ摘出した《写し鏡》を見た。


「けれど、レイラさんの体の自由を奪うだけでなく《写し鏡》の意志がレイラさんの体の支配権を完全に掌握したのは驚きです」


 シャルの口から洩れた言葉は驚きと恐れが籠っていた。

 シャルの視界に映る《写し鏡》は自身の意志でシャルを殺そうとした。


「けど、あんた。いつ《写し鏡》に殺意を抱かれるような真似をしたの?」


《写し鏡》に自由を奪われて体を操られたレイラは《写し鏡》自身の意志で動かされた理由をシャルに尋ねた。


「心当たりが全くなく思いつかないです」


 シャルは何も心当たりがないようで《写し鏡》に狙われる理由が全く思いつかなかった。


『その理由を教えてあげますよ。シャルロット』


 シャルの頭の中に響く声が今立ちふさがる疑問に答えようとした。


『こんな時に何の用なの?タウ?』


 頭の中に響くタウの意識にシャルは頭の中で返事を返した。


『そんな事を言わないで下さい。これほど絶好なタイミングを逃せば《写し鏡》を手にする機会に巡り合えるか分かりません』


 タウの意識はシャルの目の前にある《写し鏡》を手にするための指示を出した。

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