第三十七話(裏)
《写し鏡》の依り代と自己紹介をした女性の言葉にシャルは目を大きく見開いた。
「その様子を見るに、私の素性を知ってここに来たのですね?」
依り代の女性はシャルに優しく微笑みながら自身の衆生を知ってここに来いている事を察していた。
「はい。お会いして間もないところすみませんがあなたに会いたい人がいます。その人と会って話をしていただけませんか?」
「いいですよ」
依り代の女性はシャルの頼みをすぐに了承した。依り代の女性が了承するとシャルは足元に魔法陣を展開させた。展開した魔法陣から光の柱が立つと光の柱から人の影が現れた。
光の柱からミラーの姿が現れると足元の魔法陣ごと光の柱は消失した。
姿を出したミラーは急に別の空間へ転移させられて周りを見回して現状の把握をし出した。
周囲を見回してミラーは転移させられた事を把握した。
「あんたねぇ。いくら転移させていいとは言ったけど、一言断りを言ってから転移させることは考えなかったの?」
シャルに視線が合うとミラーはシャルに渋面する表情を向けた。
「文句は後で聞きます。それよりそこにいる方に聞きたかったことを聞いて下さい」
ミラーの会話に割り込んだシャルは椅子に座っている依り代の女性を差した。
シャルが差した女性にミラーは視線を向けた、
「この方があなたが私に紹介したい人ですか?」
微笑みながらシャルに尋ねる依り代の女性はいきなり姿を現したミラーを見た。
「その通りです」
依り代の女性に肯定の意を告げるとシャルはミラーに口を開く。
「この方は今の《写し鏡》の依り代のミラー・ガブリエルさんです」
シャルが椅子に座っている女性の紹介するとミラーはシャルと同じく目を大きく見開いた。
「いきなり姿を見せて申し訳ございません。私はミラー・ガブリエルと申します。次の《写し鏡》の依り代です」
ミラーは綺麗なお辞儀をして《写し鏡》の依り代の女性に自己紹介をした。
「あなたが次の依り代の方なのですね。初めまして、私はミラー・ガブリエル。今の《写し鏡》の依り代です」
ミラーが自己紹介をすると依り代の女性も自己紹介をした。互いに挨拶を交わすとすぐに二人の間に沈黙が流れた。
「もし私が邪魔なら部屋から出てますが、どうしますか?」
「あんたが聞いていて気持ちのいい話は当分できそうにないからそう空いてもらえるとうれしいわ」
ミラーはシャルの気配りに感謝しつつ席を外すように頼んだ。ミラーの頼みを聞いたシャルは今と次の《写し鏡》の依り代の二人のいる部屋から出て行く。
シャルが部屋から出て行った時、依り代の女性とミラーは先程まで重そうにしていた口を開く。
「やっとお会いできましたね。次のミラー・ガブリエル」
「はい。この時を待っていました。現在のミラー・ガブリエル」
二人のミラーは差外に視線を合わせたまま言葉を紡いだ。
「少しだけ聞きたいことがあるのですが聞いてもよろしいですか?」
次のミラーは今のミラーに対して尋ねたい事があると口にすると、今のミラーは優しい口調で「もちろん大丈夫です」と言葉を返した。
「どうして《写し鏡》の依り代になったのですか?」
質問を口にした次のミラーは簡潔で一番の疑問を今のミラーに質問した。
「簡単に言うのであれば、《写し鏡》が依り代として私を選んだのです」
次のミラーの質問に簡潔に説明した今のミラーの答えは至極単純な理由だった。
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