第二十四話
レイノスが死んだ後、ノクトはホホを探すため探知魔術を発動した。
探知魔術によってホホの居場所が分かったノクトはホホのいる目的地へ走った。
王宮内を走るノクトは何か強烈な違和感を感じていた。
あまりに人と出くわさない。普段なら王宮のどこかに人がいる。時に警備する場所にいるはずの警備係の騎士すらいなかった。
レイノスと戦っていた時にも感じていたが、壁を破壊する程の騒動を起こして誰一人としてこちらに駆けつけていなかった。
明らかに今の状況は異常だ。
ホホがいる部屋の前まで到着したノクトは部屋の扉を開けるとそこには鉄格子の中に閉じ込められているホホが視界に映った。
「先生!」
「ホホ!」
互いの視界に映った二人は互いを呼んだ。ノクトは鉄格子の中に拘束されているホホを救助するために鉄格子を魔術でへし曲げてホホが通る事のできる隙間を空けた。
ノクトが開けた隙間からホホは抜け出すとノクトの方へ駆け寄りそのままノクトの懐に抱き着いた。
「……先生!無事でよかった……!」
ノクトの懐に抱き着いたホホはノクトの体に顔を埋めながら涙声で言葉を発した。
「ホホは大丈夫だったのか?」
ノクトはホホに大事がないか質問しながらホホにかけられていたはずの呪いを確認していた。
レイノスが言うにはレイノスが死ぬとホホにかけられていた呪いは解呪されるらしいが、ホホに掛けられたはずの呪いの痕跡が全くなかった。まるで最初から呪いなどかけられていなかったかのように。
「あたしは大丈夫です。聖騎士様に結界が張られている鉄格子に入って襲撃者から身を守るように言われてました」
ホホの言葉を聞いた瞬間、ノクトは今まで以上の違和感を感じた。
「ホホ。レイノスさんから鉄格子の中で身を守る以外に何かされなかったか?」
ノクトが尋ねた言葉にホホは頭の上に疑問符を浮かべた。
「いえ。先生と聖騎士様が襲撃者と戦うので先生が来るまで大人しくするように言われただけです」
ホホの返答を聞いてノクトが感じた違和感の正体に近付いた。
「王宮にいる他の人達はどこにいる⁉」
ノクトは語気を強くしてホホに尋ねた。
「あたしも分かりません」
ホホは申し訳なさそうに答えると、ノクトはすぐに探知魔術を発動した。
ノクトは探知する法的を探知すると、その三名は大広間に集まっていた。
「ホホ!今から俺が良いと言うまで俺から離れるな!」
ノクトが急に声を張ってホホに忠告すると、ホホは少し驚き背筋が伸びた。
ホホが返事をする前にノクトはすぐにホホがいた部屋から出て大広間へ足を進めていた。
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