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第十九話(裏)

 白衣の男との戦闘があった日の夜。

 シャルはマリアと別れた後、学生寮に戻り自分の部屋に戻るとベッドに直行して寝そべった。


「……疲れた」


 今日は色々な事がありすぎてめまぐるしい一日だった。


 学園資料保管棟で虱潰しで《写し鏡》に関わる情報を探しているとその資料の一ページが破れていて、その一ページを取った者が同じく神聖術研究棟で調査していたマリアの傍にいて、マリアが倒したページを破り取った白衣の男から破り取った理由を聞いて、すぐにその場から退散して、今まで嘘や黙秘していたマリアの正体を聞いた。


 あまりに起きた事が多すぎて、流石のシャルも疲労が溜まった。


 ベッドに休憩のためにベッドに寝そべっていただけなのに徐々に睡魔に襲われていき瞼と意識が重くなっていく途中で体中に身の毛もよだつ恐怖を感じて脳内が一気に回転し出す。


 寝そべったベッドから体を起こすといつの間にか開けた覚えのない窓が開いていた。開いている窓の傍には是認が白い服を着ている純白の仮面で顔を隠している白髪の者が立っていた。


「ちゃんと気配を消していたはずなのですが、流石と言ったところでしょうか?」


 白髪の仮面は仮面から覗く純白の瞳でシャルを見ながら喋り出すと、シャルはすぐに立ち上がり警戒心を剥き出しにした。


「あなたは何者だ?」


 警戒心を剥き出すシャルは白髪の仮面に簡潔に尋ねる。


「君達が倒した白衣の男の取引相手、と言えば理解できますか?」


 白髪の仮面から発せられた言葉にシャルは瞬時に魔術で攻撃する準備をした。


「そのあなたがなぜ私の部屋に忍び込んだ?」


 すでに術式に魔力を流して今すぐに魔術で攻撃できるシャルは警戒心を総動員して白髪の仮面の動きの微細な動きまで観察する。


「そこまで警戒しなくていいですよ。自分達はあなた方に危害を加える気は毛頭ありません。それに今日ここに来たのはあなた方と取引をするためです」


「取引?」


 警戒心を剥き出しているシャルに対して本性を出さない白髪の仮面は取引を求める話をした。


「元々白衣の男から受け取るはずだったモノをこちらに渡して下さるのであればこちらが用意できるあなた方の欲しいモノをお渡しします」


 白髪の仮面はシャルが所持している資料の一ページを取引の交換物として条件を出す。


「なぜあなた方はこの資料の切れ端を欲しがる?」


 シャルはなぜ白髪の仮面が資料の一ページを欲しがる理由を問うと白髪の仮面の下に見える口元が吊り上がる。


「それはあなたと一緒に行動している少女に聞いてみたら分かると思いますよ?」


 白髪の仮面から告げられる言葉にシャルは表情を変えずに心の中で驚く。


「あなたは私達のことをどこまで知っている?」


 シャルは白髪の仮面の動きを一切見逃さずに質問する。


「どこまで知っていても自分達には何も関係ありません。自分達はただあなたが所持している紙を渡して下さるのであればそれでいいのです」


 シャルの質問に白髪の仮面は紛らわしシャルの所持する資料の一枚を欲しがっていることだけが伝わった。


「一週間後に再度場を設けるのはどうだ?それなら文句はあるまい?」

「そうですね。そこまで急かす意味もないですし、何よりすぐに自分ヘ向けて魔術を放たれてはかないませんし」


 シャルの交渉に承諾する白髪の仮面は開いた窓の方へ振り向いた。


「ではまた一週間後に会いましょう。シャリスティア様、いやシャルロット様の方が良いでしょうか?」


 そう言った白髪の仮面に眉を顰めるシャルはすぐに発動できる準備をしていた光の魔術で白髪の仮面に攻撃を仕掛けた。

 光の槍を放って串刺しにする直前、白髪の仮面の姿は一瞬で消えて串刺しになるはずの場所から消えていた。


 標的を失った光の槍は向かい側の壁を貫く前に制止してすぐに光の粒子となって霧散した。


「逃げ足の速い!」


 シャルの攻撃を躱して姿を消した白髪の仮面は実力が知れないまま姿を消した。

 そして逃げ道であろう窓から月光とそよ風のみが入り込んでいた。

お疲れ様です。

本日も本で頂き誠にありがとうございます。

これからも投稿していきますので良ければ次話も読んで下さい。

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