表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
131/336

第十五話

 ノクト達が王宮の門を潜るとノクトとラザフォードは王宮内に、ホホは王宮図書館に向かった。

 ノクトとラザフォードは王宮の中に入り奥へ進んでいくと大広間にはすでに招集された人達が集合していた。


 ノクトが大広間に足を踏み入れた直後、すでに大広間に集合している人達は大広間に訪れたノクトを見た。


「まあ、当然の反応だな。ノクト?」


 ノクトの隣を歩いていたラザフォードはノクトに聞こえる声で呟く。

 ラザフォードの言う通り、今回の王宮への緊急招集の主な原因であるノクトが関係者から凝視されるのは当然だ。

 特に人間の体には猛毒の魔王の魔力を体内に吸収してしまったのにも関わらず息災の様子のノクトを凝視してしまうのは仕方ない。


「そうですよね」


 ノクトもその事は理解しているが、ここまで大勢の人達からいきなり凝視されると改めて自分の置かれている状況が身をもって理解できた。

 ノクトとラザフォードは大広間の中央へ進む。

 大広間の中央にはノクトの見知った人がいた。


「お久しぶりです。レイノスさん」


 ノクトがお辞儀をして目の前の師匠であるレイノスに挨拶をする。


「そうだな。ノクト。もうすぐ一年になるな」


 レイノスは約一年ぶりに再会したノクトに挨拶を返す。


「旅に出た時と変わらず息災なようでなによりだ」


 レイノスは目の前の弟子であるノクトに相変わらず無骨な表情でノクトに話す。

 レイノスは今回の緊急招集された事情を把握している。


 レイノスは前に魔王の魔力の欠片が封印された魔石に短時間触れただけでかなり消耗した。

 いくら勇者のノクトと言えど、人間である以上魔王の魔力は体を蝕む事を実感しているレイノスは体内に魔王の魔力を吸収してしまったノクトを心配していた。


「幸か不幸か。ノクトが魔王の子孫だから何も影響がないのだろうな」

「レイノスさんも俺と同じ考えでしたね」


 レイノスもノクトと同じで魔王の子孫だから魔王の魔力を吸収しても何も影響がなくなったのだと考えていた。


「しかし聖騎士レイノス。この一件で今以上にノクトに対する王族や元老院の人間の態度が醜悪になるだろうな」


 ノクトとレイノスの近くにいるラザフォードは大広間の奥にある集会の間を見て呟く。


「そうだろうな。勇者ラザフォード。しかいそれはノクトの問題だ。俺達は残り一つしかない魔王の魔力の欠片をどうするかを考えるべきだ」


 ラザフォードの呟きを聞いたレイノスはそのつぶやきの意図を理解しつつもその問題はノクトの問題だと断言して今自分達の問題に目を向けるように言った。


「ノクト。これまで以上に集会の間にいる間は身を弁えた言動を取れ。ノクトが勇者と言えどただでは済まないぞ」

「それってどういうことですか?」


 レイノスは静かな声でノクトに忠告をするとノクトはその真意を質問する。


「集会の間に行けば分かる」


 ノクトの質問にレイノスは何も答えず集会の間に行けば分かるとだけ告げる。

 招集の時間になると大広間の奥の集会の間が開く。


 開かれた扉の中へ進んでいく大広間の一同の中、レイノスの忠告を聞いた直後のノクトは一層気を引き締めて集会の間へ進む。

お疲れ様です。

本日も読んで頂き誠にありがとうございます。

これからも投稿していきますので良ければ次話も読んで下さると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ