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第八話(裏)

 シャルはタウが姿を消した後、屋上を出て屋上の扉を元通りに鍵を閉めた。

 鍵を閉めた後、シャルはすぐにマリアから聞いた関係者以外立入禁止区域へ向かった。


 マリアもそこの一角へ向かうと聞いているのでシャルはマリアから聞いた別の区域へ向かった。

 学園の地下区域へ足を踏み入れたシャルは周囲がろうそくの灯りのみの薄暗い場所が視界に広がった。


 シャルは周囲の気配を察知すると神聖術を発動した時点で警告の鐘が鳴り響き学園中に立入禁止区域に侵入した事が筒抜けになる仕掛けが施されていた。


「まったく。厳重なことで」


 シャルは悪魔の力によって薄暗い場所でもしっかり目視できる目を持っている。この薄暗い場所でも神聖術で周囲を照らす必要がない。


 シャルは周囲を照らす事なく立入禁止区域の先へ歩いていく。シャルの視界には壁に古ぼけた絵画が飾られていて、床は赤い絨毯が敷かれているのが見える。進む先の奥までははっきり見えないが黒い扉のようなものが見える。


 シャルは先へ進んでいくと先程黒い扉に見えたものが視界に入る。黒い扉は鈍く黒光りする頑強そうな鉄扉だった。そして目の前の鉄扉の一番特徴的なところが鉄扉を開閉するための取っ手がない事だ。


 開けようにも扉に取っ手がなければ開けようにも開けようがない。シャルは鉄扉を詳しく見た。

 鉄扉の片端には開閉するのに必要な蝶番がある。開閉する目的がなければ蝶番は必要ない。つまり何らかの手段を用いれば目の前の鉄扉は開くというわけだ。けれど目の前の鉄扉を開く手段が分からない。


 シャルは目の前の鉄扉に軽く触れると鉄扉から神聖術による鉄扉の封印とは別に魔術による鉄扉に封印が施されていた。


「なんで魔術が仕掛けられてるの?」


 ここは神聖術師を養成する教育機関で講師含めて学園を警備する者達の中に神聖術を使える者はいても魔術を使える者はいないはず。なのにどうして目の前の鉄扉に魔術が施されているのか不可解極まりない。


 もしここで魔術を使い鉄扉の封印を解いたとしても神聖術による封印が残っている。この封印も解くと学園中に警告の鐘が鳴り響いてしまう。

 それでは本末転倒だ。シャルは大人しく踵を返した。


 他の立入禁止区域へ足を踏み入れるも先程と同じ鉄扉が奥に設置されていて奥の部屋へ入るための手段がなかった。


 シャルは地下から学園の外へ出てくると外はいつの間にか夜の帳が広がっていた。

 シャルは外へ出てすぐに視界に入った灯りの方を見た。灯りの方を見るとランタンを持ったマリアがシャルの方へ歩いて来ていた。


「何か《写し鏡》の情報を手に入れた?」


 シャルの近くへ歩いてくるマリアは立ち入り禁止区域での収穫があったのか尋ねる。

 シャルは立入禁止区域で見た鉄扉についてマリアに話した。


「あんたのところも同じだったのね」

「ということはマリアさんの探した区域にも?」


「ええ、どの鉄扉にも同じ封印が施されて開くことができなかったわ」

「そうなるとやっぱり変ですよね?」


 マリアが自分が踏み入れて調査した区域にもシャルと同じ神聖術と魔術の封印が欠けられた鉄扉がある事を伝えるとシャルは鉄扉に施されていた封印を見てから不可解な点が更に強くなった。


「この学園には講師や警備をする人物の中に魔術も使える人はいない。それなのに魔術の封印も施されている鉄扉が一つならまだしもいくつもあるなんておかしくないですか?」

「確かに。これだと鉄扉の奥に保管していたとしても鉄扉を開ける手段がなければ保管した物がどうなったか確認できないわ」


 シャルが感じた不可解な点、鉄扉の奥に保管した後に魔術も使える人物がいなければ鉄扉の奥の保管した物がどうなっているか確認できない。


 保管が目的なら魔術による封印が施されていない、もしくは警備する人物の中に魔術も使える人物がいる必要がある。


 まるで鉄扉の奥にある物が保管目的で造られているわけでないようだ。


「けど《写し鏡》は確かに学園が保管している。てことは鉄扉の奥にはないってことははっきりしたわ」

「そうですね。保管する名目ならわざわざ開閉する手段のない鉄扉の奥へ保管する意味が分かりません」


「もう今日は遅くなったし、ここで解散しましょ」

「そうですね。それではまた明日」


 syるとマリアはこれ以上夜遅くまで探すのは怪しまれると思ったのかここで解散した。シャルとマリアは学園の宿舎へ向かい他の人に怪しまれないために戻った。

お疲れ様です。

本日も読んで頂き誠にありがとうございます。

これからも投稿していきますので良ければ次話も読んで下さい。

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