第三話
ノクトの起こした火を使いノクトとホホは朝食を作り始めた。
ノクトはホホが一品作っている間に川で泳いでいる魚を捕まえに言っている。ホホは旅の荷物に常備している保存食の一部を取り出して火の上に置かれた鍋に入れて炒める。炒めている保存食は干し肉や乾燥させた穀物だ。干し肉の含まれる脂質が鍋の表面に脂の膜を作り乾燥した穀物が鍋の上で炒められる事で香ばしい香りが漂い出す。そこに少しずつ水を加えていく。鍋の半分くらいの量まで水を加えたら費と似たりするまで蓋をして待つ。
ホホがスープの調理が大方できた頃、ノクトが川から戻ってきた。ノクトは片手に網を持って戻ってくると手に持っている網の中にはまだ生きていて跳ねている数匹の魚がいた。
「大漁でしたか。先生?」
「六匹捕まえた。まあこれならラザフォードさんの腹は満たされるだろう」
ホホは川から戻ってきたノクトに魚を捕まえられたか尋ねるとノクトは六匹捕まえた魚が入っている網を前に出して見せる。
これで一人当たり二匹食べられるがノクトもホホも一匹食べれば十分なのだ。残りの四匹は大食漢のラザフォードのために捕まえたのだ。
ノクトは焚火の傍まで来ると捕まえた魚を俎板代わりの平らな場所においてナイフを用いて魚の腹を切り内臓とえらを取り出す。この作業を捕まえた魚全てに行い汲んできた水で魚の血を丁寧に洗い流す。血や内臓などを除去した魚に頭から串を打ち塩を振って焚火の傍に立てて火を通す。
火の傍に立てたアカナは徐々に表面んが焼かれて香ばしい色に変わっていく。ノクトはそれを見計らい串を回転させて火の通っていない魚の面を火に向ける。
その間にホホが調理していた鍋の水が人に立ちしたのでホホは鍋の蓋を開ける。ふたを開けると香ばしく炒められた干し肉と穀物の香りが湯気と共に漂う。ホホは鍋のスープの味見をする。少し塩気が足りないと思ったホホは鍋に塩を加えてもう一度味見をした。
味見をしたホホはちょうど良い塩加減になって満足した表情を見せた。
魚を焼いているノクトの方も肴に十分火が通ったようだ。
「ホホ。悪いがラザフォードさんを起こしてきてくれないか?」
ノクトがテントの中で寝ているラザフォードを起こすようホホにお願いするとホホは少し怪訝そうな顔をした。
「先生。ラザフォードさんのいびきがうるさいから自分が起こしに行きたくないんですよね?」
「ま、まさか。俺は今魚を焼いてるから目を離せないだけだ」
「だったらあたしがスープの鍋を見ているついでに魚も見ます。なので起こしに行ってあげて下さい」
ホホはノクトがラザフォードを起こしに行かない理由をのbwるとノクトは図星を突かれ咄嗟に言い訳をするも同じ焚火で調理している状況で鍋の様子を見ながら焼き魚の様子を見るくらいできるとホホは言い、ノクトにラザフォードを起こしてくるように頼み返す。
ホホの代わりに鍋の火か減と焼き魚の火加減をノクトが見ればホホが起こしに行く事になると分かっているがここしばらくホホがラザフォードを起こす役目をしてくれていたのでノクトはまたホホに起こすのを頼むのも心が痛むので渋々ラザフォードの寝ているテントへ歩いていく。
ラザフォードの眠っているテントに近づく度に聞こえてくる耳を劈くようないびきが漏れ出る。
いつもノクトはラザフォードと同じテントで練る時は耳栓をしてなんとか眠れている。けれど今は耳栓を持っていないので手で耳を塞ぎながらテントへ進む。
テントの中へ入ると強烈な音量のいびきを掻いているラザフォードが仰向けで巨大な体躯に合う巨大な寝袋の中で眠っている。
「ラザフォードさん!朝食できましたよ!」
ノクトはラザフォードのいびきの音量に負けない大声でラザフォードを呼び体くぉゆすりながら起こす。
ノクトがラザフォードを起こすとラザフォードのいびきが収まり目を覚ました。
「……ふぁぁ~~……おはよう……」
あくび交じりの柄着いた声でラザフォードは起こしてくれたノクトに起床の挨拶をする。
「朝食できました」
「ありがとう・顔洗ってくる」
ノクトがラザフォードに朝食をができた事を伝えると、ラザフォードはテントを出て川の方へ歩いていく。
ノクトもラザフォードがテントを出た後にテントを出る。ノクトは朝食を作っている焚火の前まで歩いてホホの隣に座る。
「流石にラザフォードさんを起こすのは一苦労だ」
ノクトはやっと焚火の木の枝が燃えていく心地よい音を聞いてぼそっと呟く。
「先生ここしばらくサボってたんですから、あたしの苦労が分かりましたか?」
ノクトの隣にいるホホは火加減を見ながら隣にいるノクトにここしばらくの苦労が理解できたか尋ねる。
「すまなかった。これからはしっかり交代制にしよう」
ノクトはラザフォードを起こす役目をホホに任せっぱなしにした事を謝罪した。
そうしている間にラザフォードが顔を洗い終わりノクト達の方へ歩いてくる。
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