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第四話(裏)

 挨拶を終えてすぐ行われた講義が終わると周りの女学生がシャルの周りを囲んだ。


「変融資件の成績を噂で聞いたのですが、噂は法本当なのでしょうか?」

「各分野全て好成績を残したと聞きました!」

「噂について詳しく聞かせて下さい!」


 いつの間にかシャルの編入試験の成績が学生に知れ渡っていた。

 噂の真相を聞きつけた学生達は興味津々でシャルに直接質問する。


 質問攻めになっているシャルは矢継ぎ早に質問を受けているため誰に答えればいいか困惑していた。

 シャルは今までの人生で同じ人間の、特に同世代の同性とここまで多くいる空間の中で囲まれて放されるのに慣れていない。


 今までは大勢の悪魔と一緒の空間で話した事はあるが大勢の女子と話した事のないシャルは困惑のあまり声が詰まってしまった。


「お静かに!セイレーンさんが困っています!」


 シャルを囲んで質問攻めにしている女学生達に凛々しい声が制止させる。

 シャルを含め周りの女学生達は凛々しい声の聞こえる方へ向いた。

 声の聞こえる方を見るとそこには一人の女学生が立っていた。


 軽いウェーブのかかったプラチナブロンドの髪と端整な鼻梁に意志の強さを感じさせる吊り目気味の翡翠色の瞳がシャルを見ている。全体的に細身に見える体躯だが女性らしい丸みのある体のラインが制服の上からでも分かる。


「エヴァンテイン様ですわ!」

「本当ですわ!まさかエヴァンテイン様が直々に顔を合わせるなんて!」


 周りの学生はそわそわしながら話している。


「大丈夫ですか?シャリスティア・セイレーンさん」


 周りの女学生を制止した目の前の女学生はシャルの傍に歩いていく。


「私はマリア・エヴァンテインと申します。どうぞお見知りおきを」


 シャルの目の前の女学生——マリアはシャルに綺麗な所作で軽く会釈した。


「シャリスティア・セイレーンです。こちらこそよろしくお願いします。エヴァンテインさん」


 シャルは会釈をして挨拶したマリアに同じく会釈をして挨拶をした。

 シャルがあいさつするシャルの周りの女学生は徐々にシャルとの距離を取り始める。


「シャリスティアさんの噂で学園中もちきりです」

「私はこの学園に来たばかりで噂の内容を知りません。よろしければその噂の内容を詳しく聞いてよろしいでしょうか?」


 シャルは微笑みを浮かべてマリアに噂の内容について質問した。


「アルスタイン神聖術学園の設立以来、神聖術の各分野全て好成績を残しているという噂です」


 ネイラルグがBクラスに行く前に話していた事が学生にも知れ渡っているようだ。

 神聖術師は筆記はともかく実技に置いて各分野全てオールラウンドに好成績を残した学生は今までいないらしい。


「成績についてはBクラスに訪れる前にネイラルグ教授に聞きました。試験の時にたまたま調子が良かっただけです。皆さんが噂するような人間ではないです」

「おいうことは編入試験の成績の噂については否定しないのですね?」


 シャルが噂の真相について否定をせずあくまで偶然調子が良かったと真相をあやふやにするが、マリアはよりシャルの話に食いついた。


「もしよろしければ互いに切磋琢磨しあうお友達になりませんか?」


 マリアは微笑みを浮かべ手をシャルの前に伸ばした。

 シャルはマリアが伸ばした手を見た。マリアが伸ばした掌には魔力の宿った術式が目に映った。


 掌に浮かぶ術式を見るに何かの呪術なのだろう。周りの学生はマリアの掌に浮かぶ術式に目線が向いていない。


 おそらくシャルとマリア以外の学生にはマリアの掌に浮かぶ術式がミアていないのだろう、

 爽やかな微笑みを浮かべて初対面の相手に呪術を使うマリアにシャルは内心マリアの言動全てに警戒する。


「こちらこそエヴァンテインさんに追い付けるように精進したいと思います」


 シャルは優しいホホ網をマリアに向けて呪術が浮かぶ手を握り握手した。

 マリアはシャルが握手した掌に浮かぶ術式が起動していくのを見た。術式が起動して徐々に呪術の術式が展開され始める。そして術式が最終段階まで展開していくと急に展開していく術式が停止した。


 マリアは展開していた術式が自分の意志に反して停止したと思うと途中まで展開した術式が急に壊れ始める。

 壊れていく術式はほんの数秒で跡形もなく消失した。


「どうかなさいましたかエヴァンテインさん?」


 シャルは握手した手を凝視していたマリアと目を合わせてそうしたのか質問した。

 マリアは順調に術式が展開していったのに急に壊れた予想外の流れに驚愕を隠し切れていなかった。


 マリアの様子を見てシャルは微笑みを崩さずにマリアの驚愕を隠し切れない表情を見て呆れていた。それと同時になぜ初対面の同級生に呪術を賭けようとしたのか疑問も生まれた。


「いえ、セイレーンさんの手が綺麗で見惚れててしまって。お気に障ったのでしたらすみません」


 マリアはすぐに表情を戻して取り繕った。


「そうでしたか。私は気にしてませんので気にしなくても大丈夫です。けれどエヴァンテインさんに寝首と掻かれないように頑張りますのでエヴァテインさんも十分お気をつけて」


 シャルはマリアに優しい声音で周りの学生にはお互い切磋琢磨しましょうととらえられる言葉で話すと周りの学生は今日一んp歓喜の声を響かせた。


 周りの学生と違いマリアは術式をを壊された上、今度は我が身も気を付けないとどうなるか理解できるだろうと脅迫しているとも捉えられる言葉を告げるとマリアは悔しさからか恐怖からか口元が少し歪んだ。


「エヴァンテインさん。もしよろしければ今日の放課後、この学園を案内してもらえませんか?」


 シャルは悪書をしたままマリアに学園の案内を頼んだ。頼んだ直後握手した手に力を加えた。

 マリアにはシャルが握手して手に力を込めた瞬間。頼みで学園の案内を言ってきたのではないと理解する。


「……分かりました。私で良ければ」


 マリアは表情を表に出さないように必死に意識してシャルに返事を返した。

お疲れ様です。

本日も読んで頂き誠にありがとうございます。

明日も投稿していきますので良ければ次話も読んで下さい。

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