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第一話(裏)

「何で私、ここにいるんだろう」


 美しい金色の髪と透き通る青い瞳の少女、シャルは雲一つない空を見て呟く。


「そう言わないtで下さい。これも魔王様の大願に必要な潜入なのです」


 シャルの隣には外套の施された透明化の外套によって姿を見えなくしている悪魔、タウが隣で少々呆けているシャルにだけ聞こえる声で呟く。


 シャルは現在ヒストリニア王国屈指の神聖術の養成機関、アルスタイン神聖術学園の門前にいる。

 シャルの服装もいつもの黒のワンピースではなく白と金を基調とした学園指定の制服を着用している。


「だからって何で私が学生として潜入しないといけないの?」


 シャルはもっともな意見を透明化している隣のタウに呟く。


「仕方ありません。この学園には魔王様の必要としているものが存在します。それはシャルロットしか触れられません」

「だったら襲撃するなり他にも方法があるんじゃないの?私はもうこの国で指名手配されてるんだから」


 タウは魔王が必要としているものがあると説明するもしゃるは潜入ではなく他に槍用があると文句を呟く。シャルは半年前の魔王の魔力の欠片大量奪還襲撃により素顔を知られて現在世界中で指名手配されている。


「その点は気になさらず。魔王様の力でシャルロットの素顔が指名手配されている顔と認識されない幻術を国中の人々に施しました。シャルロットの顔を見ても指名手配の犯罪者と認識しません」

「それは大掛かりな幻術なことで」


 タウは魔王がかけた幻術により国中の人々がシャルを指名手配中の犯罪者と認識できないと説明するとシャルは安堵なのか呆れたのか、もしくはどちらもなのか小さく息を吐いた。


「それで魔王はこの学園にある何を探してるの?」


 シャルは隣にいる透明化したタウに質問する。


「《写し鏡》と呼ばれる勇者の法具の一つです」

「《写し鏡》?」


 シャルはタウの発した言葉に聞き覚えのない単語を反芻していた。


「私も詳しい力は知りませんが、勇者の法具ですので私達悪魔が触れる事すらできません。なのでシャルロットが見つけて奪って下さい」

「何で魔王が勇者の法具を欲しがるのか知らないけど、要はそれを学園のどこかに保管されていて私が見つけて奪えばいいのね?」

「話が早くて助かります」


 タウは学園のどこかに保管されている勇者の法具である《写し鏡》を手にするためにシャルを学園に潜入させた事を説明する。シャルもあまり驚かず勇者のの法具である《写し鏡》を奪う事に納得した。


「それでさっきまでの話しぶりから学園のどこにあるかまでは分からないって感じね」

「そうなんです。なので十分に注意して下さい。私も遠くからですがシャルロットを護衛します」

「それはどうも」


 タウが遠距離から護衛すると伝えるシャルはぶっきらぼうに返事を返した

 シャルはタウの話す内容から勇者の法具の在処を詳しく知らないと推測していたがタウから本当に詳しい在処を知らないと聞いて腑に落ちた。


 わざわざ襲撃でなく潜入させたのも詳しい在処の知らない状況ではこちらが劣勢に追い込まれる。それなら時間がかかったとしても潜入して探す方がデメリットは少ない。


 タウが透明化したままシャルの傍から離れていくとシャルは門を潜り目の前に広がる学園の広大な校舎に足を踏み入れた。

お疲れ様です。

本日も読んで頂き誠にありがとうございます。

おかげさまで第三章に突入できました。

これからも投稿しますので良ければ次話も読んで下さい。

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