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第四話 日本帝国第一分隊(全軍)と追放された少女

Ryouta Side

 日本帝国建国から三日が過ぎた。あれから頑張って武器と弾薬、臣民を集めた。食料についての補給やこの周辺の偵察などやることは多いができることは増えてきている。

 日本帝国は今はこのようになっている。


人口:9人

施設:住居二軒

兵士:9人

面積:不明

食料自給率:100?


 こんな感じになっている。臣民は頑張って五人増やした。おかげで食料の消費も増えて毎日カレーライスで補っている。それでは体に悪いので昨日鍬を召喚して小さいながら畑を作った。輝夜の話では気候は日本と大差はないそうだ。なので季節的には春に該当する。よってカブ、小松菜、トマト、人参、ネギを程よく育てることになった。これは試験的なもので人口が大きくなって行けば農家になってもらう者もできるかもしれないが今の人口ではこれが限界だ。

 野菜などを育てるとなると害虫に気を付けなければいけないがそれは意外にもすぐに解決した。


「何を悩んでおる。わしがおる限り害虫などよってこないよう加護を与えることが出来るのじゃぞ」

「でも輝夜って穀物の神じゃ…」

「ええい!ごちゃごちゃと抜かすな!わしが大丈夫じゃと言っておるのじゃ!人の手がなくともすくすくと成長させる事ぐらい出来るわい!」


 そんな感じで不安ではあるが輝夜を信じることにした。もしダメだったらそれ全部食わしてやる。一応神様なんだし問題ないだろう。

 それと住居を一軒増やした。これは主に臣民用の住居だ。まあ、気に入っているみたいだ。ちなみに臣民は男が五人、女が三人だ。労働や戦闘を考えると男の方が有利なんだがそれだと輝夜の肩身が狭いだろうからな。これくらいでちょうどだ。

 ちなみに面積が不明なのはほぼ国境が定まっていないからだ。そもそも町どころか村と呼べるような状態も出来ていないんだ。だが、この前北に行ったら海に出たから北は海までが領地となっている。いずれは開拓して港を整備したい。それも人が増えてからだ。

 と言うわけで臣民は全て兵士にした。確かこの場合は分隊規模だった気がするので日本帝国第一分隊だな。…これが総兵力と言うのも泣けてくるが。

 そんなわけで俺は北の国境(海岸線)に来ている。共は輝夜を含む三人だ。残りの臣民は畑と住居を見張らせている。

 輝夜が海ではしゃいでいる。こういう姿を見ると本当に神様なのか疑ってしまう。見た目は妹のれなにそっくりだし。精神年齢は幼いのだろうか。そんなことを考えつつ海に触れて舐めてみる。うん、しょっぱい。海なのは間違いないようだ。湖の線は薄くなっているな。


「この海岸線に沿っていずれ領地を増やすか」


 見た感じ砂浜が何処までも続いている状態だ。これではコンクリートでも使わないと港には出来そうにないな。そんなことを考えていると双眼鏡をもって周辺を確認していた。博美が声を上げる。


「鹿島様!西の方に人影が!」

「何!?」


 そちらの方を見れば双眼鏡を使わなくても見える位置に人の姿があった。俺は直ぐに指示を出す。


「朝霞軍曹、どんな状態だ?」


 分隊を作るにあたって階級を臣民に与えていた。博美は軍曹、政成は伍長、残りは作った順に兵長、上等兵、一等兵、二等兵としている。二等兵だけ二人いることになる。そんなわけで俺や輝夜がいない間は博美が最高責任者になる。


「どうやら少女の様です。ですが衣服はボロボロ、かなりふらついています。あれではいつ倒れても可笑しくないです」


 そうか。流石に目の前で死なれては気分はよくないからな。助けるとするか。それに恐らく初めてのこの世界の住人との出会いだ。この位はしないとな。


「梁田二等兵、佐川二等兵少女を連れて来い」

「「はっ!」」


 両二等兵は敬礼して少女のもとに走っていく。その瞬間少女は倒れてしまう。俺は今のうちに水を用意しておく。失敗したな。医者を作っておくべきだったな。俺に医学の心得なんてないからな。

 暫くすると少女を負ぶって二人が戻ってきた。


「様子は?」

「かなり細いですが息はしています。恐らく脱水症状に陥っているのかと」


 成程、取り合えず召喚した水を少しずつ口に含ませる。偶に手や足、額に水をかける。するとしばらくして少女が目を覚ました。


「…うぅ、ん?」

「目が覚めたか。取り合えず水を飲むか?」


 少女は俺たちが何なのか分かっていあない様子であったが頷いていたので水を少しづつ飲ませるが少女は一気に飲み干してしまう。


「…助けてくれてありがとうございます」


 落ち着いた少女は俺たちに頭を下げる。見た限り少女の年齢は12程度。小学校卒業するかしないかぐらいの見た目だ。そんな少女が一人でいたことに疑問を持つががっつくのは良くない。ここはゆっくり丁寧に聞くべきだろう。


「見た感じ一人だったけど何かあったのか?」

「…」


 そう聞くと少女は俯いて黙ってしまった。…これはいきなり地雷を踏みぬいたか?良好な関係は諦めた方がいいか?

 そう思っていると少女はポツリポツリとだが話してくれた。どうやら話す気はあるみたいだ。


「…私が住んでいた都市で追放刑があってその追放刑で都市を追い出されてここまで来ました」


 追放刑か。人口が少ない俺の国では絶対に出来ない刑罰だな。しかし、こんな少女がそんな刑を受けるほど悪いことをしたのか?そんな風には見えないが。


「私の住んでいた都市では税金が高くて払えなくなった人たちが安くして欲しいって領主様の館に行ったら国家に逆らう反逆者だって言ってみんな殺されて、私のお父さんとお母さんも…!」


 少女は耐え切れなくなったのか泣き出してしまい仕方なく博美に慰めるように言う。ここは同性で母性がある博美が適任だからな。臣民間でお母さんって呼ばれているらしいからな。

 しかし、都市か…。少なくとも人口はかなりいるんだろうな。とてもじゃないが太刀打ちは出来そうにない。いずれ防壁でも作らないとな。

 その後少女は泣き止み他にもいろいろと話してくれた。少女の名前はエルナと言うらしい。そのエルナが住んでいた都市の税金は今までは四公六民だったらしい。それが今では八公二民と言う酷い有様らしい。これでは経済は成り立たないだろう。それだけ領主ととやらは私腹を凝らしているみたいだな。

 他にも周辺国家について知ることが出来た。まず、エルナが住んでいた都市が所属している国がシードラ王国と言い大陸の国家との貿易で栄えているらしい。この島には大した領土をもっておらぅ北西の島を本土としているらしい。そして南方にパララルカ王国という国家があるという。パララルカ王国は建国から百五十年ほどで島の三分の一を領有しているが野心が強くシードラ王国の貿易船を定期的に襲い富を得て軍事に回しているらしい。これを見るにパララルカ王国よりもシードラ王国との方が良好な関係が築けそうだ。シードラ王国は貿易に栄える国で領土を奪う野心はないみたいだからな。百年近く領土は変わっていなかった。

 そうなると今後は北方を領土にして国と呼べる体制を作ってから接触した方がいいな。今の状態ではまともな外交すらできそうにないからな。取り合えず今はエルナを暫定首都に定めた転生地に連れて行くとするか。いずれ日本帝国が大きくなったらあそこは天照大御神を祭る聖地にしたいな。


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