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異世界転生~神に気に入られた彼はミリタリーで異世界に日の丸を掲げる~  作者: 鈴木颯手
第三章 皇歴6年~パララルカ王国殲滅戦~
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第二十六話 戦後処理と外交★

Ryouta Side

 東部諸都市の降伏から約一月後、西部の諸都市も降伏してきた。これで王族を捕らえて正式にパララルカ王国は滅亡する、と思ったが既に西部諸都市に王族はいなかった。有力者に聞くと西部諸都市に逃げ込むとすぐに大陸領に逃げていったらしい。まさかアルバ島以外にも領土を持っていたとはな。事前に調べて置けばよかった。

 それと他の王族、というか国王の実子である王子王女たちは四人いるらしいが第一王子、第四王女は行方不明、第二王子は王都への砲撃の際に死亡、第三王子だけ国王と共に大陸領に逃げたようだ。

 とは言え王族の大半を逃がす結果となったが大陸領はそこまで発展もしておらず人口も少ないらしい。アルバ島以下の力しかないようだから直ぐに攻めてくることはないだろう。この間に戦後処理を行っていく。アルバ島にあるパララルカ王国領は全て併合する。更に未熟な行政区分を一新し、こちらで制定したものを採用する。パララルカ王国側の人間は国民は罪に問う事はしない。これは当たり前の事だろう。しかし、上層部の人間は大なり小なり罪に問うていく。……と、言いたいが騎士はともかく政務官を処罰するのは今の日本帝国にとって悪手だ。うちの人口はただでさえ兵士に極振りしていて他がおろそかになっている。今政務官がいなくなるのは不味い。だから罪に問う事はしなかったが代わりに俺たちのやり方を通させてもらう。


挿絵(By みてみん)


 アルバ島はこの様に区分する。諸都市の意見や情報を見て区分は決めた。名前に関しては都道府県や旧国名からつけた。そして、各県には俺の代わりに政治を行う執政官を配置する。事実上のその県における最高権力者だ。ある程度自由に政策を行う事が出来るようにしているため権力は強い。その為、この役職には俺が生み出した臣民を当てる。そうすれば執政官による裏切りは避けられるだろう。

 そんな訳でそんな戦後処理を行っていたらこの世界で6年目を迎えた。しかし、俺の外見にそこまで変化はない。俺も今年で23を迎えるが精々18くらいにしか見えない。そんな風な疑問を思っていると輝夜が理由を教えてくれた。


「なんじゃ、簡単な話じゃよ。お主は天照とわしという二柱の神に気に入られておる。それどころかワシとは頻繁にまぐわっておる。その影響じゃろうな。要するに、お主はワシにふさわしい旦那様になっておるということじゃ♪」


 結局詳しい原理が分からなかったが神に愛された影響という事は分かった。これが老化しないだけなのか、寿命が延びているのか、はたまた不老不死となっているのかは分からないが自分だけ時の流れが遅いような感じだと思っておけば問題ないだろう。









『我が偉大なる日本帝国の臣民及び国民諸君! 諸君らのおかげで我が日本帝国はアルバ島の統一に成功した! 同盟国シードラ王国の領土部分は我らの領土ではないが敵や中立などの第三国が領有していないという事では統一と言っていい! これはパララルカ王国ですら成し遂げられなかった偉大な功績であると同時に朝敵たるパララルカ王国では絶対に不可能な、言い換えれば我らだからこそ成し遂げられた功績なのである!

臣民及び国民諸君! 共に祝おう! 共に称えよう! 我らが日本帝国を! 天照大御神を!』


 帝都ヤマトでの新年のあいさつで俺はそう高らかに宣言した。因みに臣民は俺が作り出した者達の総称で国民はそれ以外の日本帝国の民の総称だ。別に分けている意味はない。どちらが偉いとかもないが臣民の方が信頼しやすいという事はある。俺が作った人間達だからな。

 さて、戦後処理を終えた以上今後は外に目を向けていく必要があるな。どこかの国と国交を結び交易などを行っていくべきかな。」後はパララルカ王国だ。大陸領に逃げたらしいし追撃するなり和睦するなりしないといけないな。


「アルバ島、いや秋津洲の隣国はガルムンド帝国と聖オクシデント法王国のみ何だな?」

「はい、その通りです」


 俺の問いに答えるのは東部諸都市の代表的存在だったリバースという人物だ。貴族ではないがそれ以上に力を持っていた人物らしく東部諸都市がすぐに投降したのは彼が働きかけた影響らしい。

 そんな彼はこの会議に参加している者の中で一番大陸の情勢に詳しかった。……まぁ、参加者は俺の他に陸軍の代表として朝霞博美、海軍側がナオツグ・ゴウドー、他に数名程参加しているが全員臣民なので知識は全て地球でのものだ。この世界のものはない。


「聖オクシデント法王国とは友好関係を築いていました。ですが、ガルムンド帝国の大頭で年々領土を失っており今は南部の半島にまで後退しています」

「ガルムンド帝国とはどんな国なんだ?」

「世界最強の大国。その言葉がふさわしい国です。人口は数千万、あるいは一億に行くかもしれません。総統閣下の軍隊のような軍隊を持っており”火薬”という者を実用化しているそうです」

「成程……」


 天照大御神からは「剣と魔法の世界」と聞いていたが実態は大分異なるようだ。というか今のところ魔法の”ま”の字も出て来ない。精々俺の得点くらいだ。パララルカ王国が魔法を使っていなかっただけだと思いたい。

 それにしてもガルムンド帝国、もしかしてクラスメイトが関与しているのか?あいつらがどんな特典を得たのかは俺にも分からないからな。ただ、俺並みにチートな奴はいないというのは確定だろう。天照大御神はあまり気に入っていなかったからな。


「ガルムンド帝国がここまでデカくなったのはどのくらい前の事なんだ?」


 俺はテーブルに置かれた大陸の地図に目をやる。


挿絵(By みてみん)


 ガルムンド帝国の領土は大陸の三分の一以上とデカい。これだけのデカさを数年できるとは思えないが……。


「ガルムンド帝国は約百年前から拡張戦争を始めました。火薬を使い始めたのはその頃からですな。魔法でもここまでの威力を出せる訳ではないようなので」

「魔法でも、ね……」


 魔法<科学という事か?流石にそう決めつけるには早計だがガルムンド帝国の様子を見る限りそうなんだろうな。


「となるとガルムンド帝国と聖オクシデント法王国、一応両方に使者を送るとするか。確かシードラ王国はガルムンド帝国と良好な関係だったよな? 仲介を頼んでみてくれ」

「かしこまりました」

「リバース、君には聖オクシデント法王国への使者となってもらう。必要な人物を連れてすぐに向かってくれ」

「了解しました」


 こうして日本帝国の最初の外交方針は決まった。後は実が結ぶのを待つだけだな。その間に武器を召喚するだけではなくここでの生産体制を作らないとな。そうなると資源を見ないといけない。秋津洲に資源が眠っている事を祈るしかなさそうだな。


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