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異世界転生~神に気に入られた彼はミリタリーで異世界に日の丸を掲げる~  作者: 鈴木颯手
第三章 皇歴6年~パララルカ王国殲滅戦~
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第十八話 パララルカ王国殲滅戦2~王国最強の将軍復活~

NO Side

「よっしゃぁ!いっちょ上がり!」


パララルカ王国の補給物資があると思われる屋敷に爆弾を落とした攻撃隊隊長上野和也大尉は燃える屋敷を見てガッツポーズを取った。火薬が開発されていない世界であり未だに二次元の戦術であるパララルカ王国は攻撃隊にとっていいカモであった。攻撃機は水面にいる魚を狙う鳥のように補給基地を破壊していく。既に城壁を残してほぼ破壊されつくされつつあった。


「どこかにいい的は…っと」


和也は破壊されている補給基地を見て呆然としている一人の兵士に狙いを定めた。兵士は逃げようと足を動かしつつあったがそうはさせまいと機首の7.7mm機銃を放つがほとんどが下半身に当たり動けなくしただけであった。


「っちぃ!もういっちょ!」


和也はそう思い機体を戻すがそこには60kg爆弾を落とされて吹き飛ぶ兵士の姿があった。和也はそれを見て通信機に怒鳴る。


「コラァ!信也!俺の獲物奪ってんじゃねぇぞぉ!」


和也は自身の獲物を奪った相手、攻撃隊副隊長の那須信也に抗議するがそれへと返答はしたたかであった。


『何を言っているんですか?私はただ隊長の尻拭いをしただけですよ』


「それを横取りしてるって言うんだろうがぁ!」


『無茶苦茶です。それとさっきの兵士で最後なので赤城に帰投しましょう』


のらりくらりと躱す信也に和也はかなりの怒りを感じるが信也の言うことも正しいようなのでいったん保留する。


「貴様ぁ、後で覚えておけよ…!全機帰投!」


『『『『『了解!』』』』』


攻撃隊三十機は煙が立ち上る瓦礫と化した補給基地を背景に空母赤城へと帰還していく。来た時と同じ時間をかければ停泊中の空母赤城や戦艦大和の聯合艦隊がいた。


「…やっぱり何度見ても赤城も大和もでけぇな」


自分たちを作った日本帝国総統の鹿島良太が作った聯合艦隊に再度驚きつつも自分が敵側でないことを心から安心する。これから行うことを考えれば敵が不憫に思えてならなかったがそこは任務と割り切り着艦体制に入る。現状攻撃隊は和也が率いる三十機しかなく空母も一隻しかない上に陸地には着陸できる場所が整備されていないためここでしくじる訳にはいかなかった。尤も、和也も攻撃隊の面々もそんなへまをするような奴は一人もそろっていないのだが。



















その頃ようやくパルザ二世のもとに日本帝国陸軍一万が侵攻したことが伝えられた。侵攻してからかなり立っていた。これはパララルカ王国に日本帝国の兵士が入り込んでおり王都に向かう伝令兵を殺しまくっていたからである。


その為報告を受けたパルザ二世は烈火のごとく怒り狂って伝令兵に怒鳴る。


「なぜ今頃になってそんな報告をして来るのだ!?報告によればかなり奥まで進まれているというではないか!?伝令兵は何をやっているのだ!?」


「そ、それが既に十人以上を送り出していまして…」


「…まさか逃げたのではあるまいな?」


怒りを抑えパルザ二世は疑いの目を受ける。現在パララルカ王国の保有する兵力は最大で五万。その内三万を五年前の北方征伐で唯一将軍で生き残った第三軍の副将が率いて各砦の守備に当たっていた。しかし、既に半数以上が落とされ将軍も自分が治める都市に籠ってしまっていた。その為命令伝達がほぼ不可能となり各砦は自分たちの判断で守らなければいけなくなっていたのだ。


「そんな事は無いのですが…」


「…もういい。兵は送る。下がれ」


伝令兵は委縮しながら玉座の間を出ていく。パルザ二世は直ぐに隣で見守っていたメルヘムに声をかける。


「…何故こうなってしまったのだろうな」


「日本帝国を過小評価しすぎたのではないでしょうか?」


「それだけだといいんだがな。…アクラを呼べ」


パルザ二世の言葉にメルヘムは驚く。現在アクラは王城の牢内に入れられており実質罪人として扱われていた。


「もはや万を超える軍勢を指揮できるものはあ奴しか残っていない。本来なら絶対に頼みたくないが現状そうも言っていられないであろう」


「それもそうですが…」


パルザ二世は渋るにメルヘムに鋭い視線を送る。


「メルヘム。お前はプライドを守りたいのか?それともこの国(パララルカ王国)を守りたいのか?どちらなんだ?」


「…」


「俺はこの国を守りたいんだ。…アクラを呼べ」























「…私を呼ぶということは余程戦況が悪化しているようだな」


パララルカ王国の王城の地下にある牢内でアクラが呟く。彼女の前には跪く近衛兵の姿があった。


「アクラ様には我らが領地を侵す蛮族を討伐してほしいと国王陛下は仰っています。そのため、アクラ様には一度謁見の間に来ていただきたい」


アクラは五年の間に何が起きているかを牢番の話の盗み聞きではあったが知っていた。その為敵はかなり手ごわいというのが良く分かっていた。何より彼女は自軍を壊滅させた謎の攻撃が日本帝国によるものだと大体予想していた。


「このままでは国は亡びる、か。私もパララルカ王国の貴族だ。出来る限りのことはする。案内しろ」


「はっ!」


アクラの言葉に近衛兵は頭を垂れてからこちらですと案内する。しばらく歩き謁見の間へと到着する。アクラは中に入ると膝をつき頭を下げる。


「…よく招集に応じてくれた。アクラ・ベル・ブレストラッパーよ」


「いえ、私はパララルカ王国の将軍です。国王陛下の及びとあれば即座に駆け付けます」


「そうか…。では王命を下す。この王都にある二万の軍勢を率いて三万の兵で前線にいる将軍を配下に収め日本帝国を追い払え。もし、講和できるのなら余程の不利にならない限りお主に任せる」


パルザ二世の言葉に再びメルヘムが声を上げようとしたがそれをパルザ二世は視線で制す。それを見つつアクラは声を上げる。


「はっ!アクラ・ベル・ブレストラッパーしかと承りました!必ずや日本帝国を追い払って見せます!」


「うむ、頼んだぞ」


「それでは早速出陣いたします」


アクラはそう言うと謁見の間を後にした。残されたパルザ二世はこれで何とかなるだろうという安堵で謁見の間の扉を見つめメルヘムは不服そうにパルザ二世を見るのであった。


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