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第十四話 一区切りと輝夜

Ryouta Side

どうやらうまく敵を倒すことが出来たみたいだな。双眼鏡の向こうには地形が変形した、元は奇麗な丘があった今では地面が掘り起こされて茶色い土が一面にあった。155mm榴弾砲FH70の威力は凄まじかった。向かってくる敵を吹き飛ばし人間を塵のように吹き飛ばしていった。途中で陣を広げて迫ってきたときは危ないかなと思ったが南方の領地を守るように防衛戦を築いているからな。この程度では抜ける訳がない。更に進めば64小銃の餌食になるだけだしな。それに数は少ないがあの後M61バルカンを配置しているからな。…そろそろ小銃の更新を行うか?…それは後で考えるか。


とにかく今は敵が入って来ないように防衛陣地を強固にする必要がある。少しでも破られるとそこから崩れていくからな。だが、今のままなら砲弾の補給をしっかりさせれば問題はなさそうだな。俺は一旦帝都に戻るか。


「朝霞大将。俺は帝都に戻る。ここの指揮は任せたぞ。決して誰も通さないように」


「はっ!了解しました!必ずやここを死守して見せます」


博美の言葉に俺は満足して頷く。


と言うわけで俺は自分用に軽装甲機動車を召喚してそれを運転する。しばらく走らせると帝都が見えてきた。巨大な壁で囲まれているためとても分かりやすいしアスファルトの道路が作られているためとても走りやすい。門の警備隊に伝えて俺は召喚した車を町はずれの軍事施設に留める。今後は兵士たちが使うだろう。そういうわけで俺は自分の家に帰るとするか。


途中寄り道して街の様子を見て回った。殆どの兵士が出払っているほか山賊がほぼ駆逐されたため人はかなり少ない。半端ゴーストタウンとなっていた。現状人口のほとんどが兵士のため仕方ないが余裕を見つけて兵士以外の臣民も作っていかないとな。


と、そんな風に考えて進んでいるとあっという間に自宅についてしまった。見た限りキースは別の場所に行ったか。ここは聖地の近くにあるしな。


中に入ると輝夜がソファーでくつろいでいた。


「む、良太よ。用事はすんだのか?」


「ああ、もう俺がやる事は無い。かなりの持久戦となるだろうが問題ないだろう」


「そうか。それならば今日はゆっくり出来るのじゃな?」


「勿論だ」


俺がそう返事をすると輝夜はにやりと笑い近づいてくる。心なしか顔が赤い。


「…どうした?」


「ここに転生してもう一年はたったの」


そのお通りだ。恐らく今までの人生の中で一番濃い一年だっただろう。そう思い一年の事を振り返っていると輝夜が俺の腕に抱き着いてくる。本人から聞いたのだが輝夜の姿は本来はかなり大きい狐らしいが今は能力で妹の姿になっている。中学二年とは言えそれなりに出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいる。つまり輝夜の胸が当たっているのだ。右翼になっている俺とて健全な男子だ。更に妹の姿をした輝夜が引っ付いてくるから理性が効かない時がある。


「…当たっているんだが」


「当てているんじゃよ」


…輝夜の気持ちは分かっている。そもそも輝夜が原因で俺のクラスごと転生させられたわけだしな。特に親しい奴もいなかったし、と言うかクラスメイトの顔も名前も今となっては忘れてしまっているし思い出そうとも思わない。


そう言うわけで輝夜が俺のことを好きだというのは分かっていたが手は出していない。理由は単純。


「手を出してほしいならその姿はやめろ」


こいつは何を気に入ったのか今まで妹の姿でいるのだ。流石に中身は違えど妹の姿をした輝夜に手を出す気は起きなかった。


「そう言うわけだからいい加減腕を抱きしめるのは止めてくれ」


そう俺が言っても輝夜は離さない。それどころか更に抱きしめる力を強くしてくる。流石は神様。随分と力を持っているようで。


「…いい加減」


「…ダメか?」


…妹の姿での上目遣いだと!?俺の最大の弱点を突いてくるとは!だ、だが!妹に一度同じ状況でやられている。あ、手は出していないよ。そう言うわけだから耐性はついて…


「お願いじゃ。抱いてくれ」


「…部屋に向かうか」


どうやら俺は妹には一生勝てないみたいだ。さらば、童貞。




















Kaguya side

ワシは隣で寝ておる愛する良太の姿を眺める。こ奴はここに来てからちゃんと慰めておらんかったのかすごく激しかったのう。十回目からは数えておらんかったから分からんが。よって今ワシと良太は裸になってベッドで横になっておる。もしワシが神ではなかったらあまりの快楽に死んでおったかもしれんのう。そう思うとさらに良太が愛おしくなり眠る良太の頬にキスをする。


ワシは神の中でも変わり者として知られておる。千年前には輝夜として世界に降り立ったことがあったがそれを知った天照に連れ戻されてしまったのはとても残念じゃったのう。あの時育ててくれた翁の老人は少し悪いことをしてしまったのう。


それからは神界からの造程度にすまして居るが様々な場所を見て回った。日本だけではなく南北米、欧州、亜細亜…。じゃが、さすがに千年も見ておると飽きてしもうての、退屈しておったんじゃ。


しかし、ある日とある稲荷神社に降りてきていた。その頃のワシが良くやっておったのが稲荷神社の見回りなのじゃ。ぶっちゃけそのくらい暇であったのじゃ。じゃが、ワシはこの暇つぶしをやってよかったと思っている。そのおかげで良太と出会えたのじゃからな。


その日ワシはいつも通り稲荷神社の所に降りてきた。その姿を人間や動物には見えないようにしておる。いきなり重力に逆らってふわりと降りてきたらびっくりするだろうからのう。そんなわけでワシはそこで見てしまったのじゃ!幼い良太の姿をのう。


小学生になりたてと思われるこやつの姿にわしは一目惚れしてしまったのじゃ。


それからと言うものワシは良太が来る日には地上に降りてその姿を眺めておったのじゃが流石にそれだけではつまらんかった。


ワシは良太にワシの名を呼び、ワシに触れ、ワシに笑顔を見せ、ワシに肌を合わせてほしかった。故に昔から世話になっておるワシよりもはるかに高位な存在である天照へと頼み今に至っておる。転生してからの一年間は建国などにより忙しかったためあまりこちらから求めはしなかったがワシは遂に良太と肌を合わせることが出来た。今日はパララルカ王国の輩が攻めてきてかなり忙しかったみたいだが、家に帰って来た時の青白い顔よりも血色は良かった。


ワシはそんな良太の頬にキスをする。一瞬ピクリと反応したがそれだけで起きたりする気配はなかった。


ふふ、これからも頼むぞ、旦那様?


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