乙女ゲーの世界で ケース⑥
キーワード。
乙女ゲー(量産)・ゲームの住人・スキップモード
私・真名倉愛梨。
“真名~君の名を呼ぶまでは~”という乙女ゲー(量産)のゲームヒロイン。
ゲームの住人。
私たちゲームの住人にとって、周回プレイはきついのよ!
どうしてプレイヤーの皆さんは、そんな私たちの気持ちに気付いてくれないのかしら?
『乙女ゲーの世界で ケース⑥』
あら、皆さんこんにちは。私の名前は、真名倉愛梨。
“真名~君の名を呼ぶまでは~”という、タイトル的に良いのか悪いのか、よく分からない恋愛シミュレーションゲームのヒロインよ。
このゲームのUMDは沢山作られているから、厳密に言うとヒロインの一人ね。
そんな“私”をプレイヤーさんが動かす。そこに私の気持ちは、存在しないわ。プレイヤーさん次第ってところね。
といっても、大部分は既に作られた言動と行動だけれど。
そのことに何の不満もないわ。そうあるように作られたのが、私たちなんですもの。
だからといって、何度も同じシーンを繰り返すのは、プレイヤーさんたちだって嫌よね?
私も嫌。同じ行動、言動を繰り返すだなんて、私たちにしてみれば拷問以外の何物でもないわ。
そういう意味では、スキップモードは最悪よね。最悪。
ただでさえ、同じシーンをやり直すだけでも大変だっていうのに、そこに倍速よ?ビデオでいうところの早送りよ?
喋らなくていいとはいえ、微妙に顔と体を動かさなくちゃいけないんですもの。選択肢につく頃には、ヘロヘロよ。
特に男性陣は。ああ、勿論私もよ。どうして顔のグラフィック表示なんてあるのかしら?
非表示でいいんじゃないかしら?万が一、汗だくの所で止められたら、どうしてくれるのよ。
そんなことになったら嫌だわ。これでも女の子なんですもの。
それぐらい気にしないとか、言えるわけがないじゃないの。そういった点では、皆大変なのよ?
だから、こういうときジャンプ機能があるといいわよねって、いつも皆と話しているわ。
同じシーンを繰り返すことなく、選択肢から選択肢まで飛ばすことが出来るのよ?最高じゃないの!
魅力的過ぎると思うわ。どうして、私たちのゲームにその機能がないのかしら?
ダメねぇ。全くもってお話にもならないわ。責任者を呼んできて頂戴!
……って、あら?もう終わり?いいじゃないの。もう少しお話していたって。
え?ロード中ですって?もう!早くそれを言いなさいよね!
それでは皆さん。本編にて、またお会いしましょうね。
『乙女ゲーの世界で ケース⑥』 了
システム面について、今度は、ゲームの住人側の視点からということで書いてみました。
スキップモードは、彼らという存在にしてみたら、ただの鬼畜仕様かな?と思いまして。
ジャンプ機能を推奨してあげたい程に。
他には、顔グラについても触れてみました。
個人的な意見を言えば、断然ヒロインフェイス表示派です。
ヒロイン、文句なしに可愛いですし。
癒されます。(野郎ばっかり見ていると特に)