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乙女ゲーの世界で ケース③

キーワード。

乙女ゲー・ヒロインの弟ポジション・転生(性転換)・ギャルゲーのようなヒロイン・傍観者


私・常盤陽菜ときわ はるな・僕。

乙女ゲー“ラブ☆パニック”に転生してしまった元女性、現少年。

ヒロインの弟ポジションだが、ゲーム上立ち絵はない。モブ中のモブキャラである。


お姉ちゃん・ヒロイン。

“ラブ☆パニック”のヒロイン。陽菜と同じように転生者が入っているようだ。

ゲーム上の設定。

どじっ子属性+天然系。根は真面目でいい子ちゃん。勿論美少女。だが、今のお姉ちゃんは、野獣系の女の子らしい。


『乙女ゲームの世界で ケース③』



私こと、常盤陽菜は、自分が生前プレイしたことのある乙女ゲーム“ラブ☆パニック”というネーミング的にちょっとアレなゲームに、トリップしちゃったみたい!

イエーイ!どんどんパフパフー!!って、アホかっ!!!ぺっ。嬉しくないよー。全然嬉しくないからこんなのorz


しかも、なんでかなー?ヒロインの弟ポジションとして転生しちゃったみたい。どうして、性転換?

いや、まぁ……前世はどうあれ、今回が男だったとしてもおかしくないけど、どうして昔の記憶があるのかな?ってことを問いたい!結構困ったんだけど。

無駄に年を食っていたからね。赤ちゃんプレイとか死ねる。子供特有の可愛らしさ何それ?だったし(遠い目)

お父さん、お母さん。私……ううん、僕に可愛げがなくて、ほんと、ごめんね?


あの頃は、私にとっての黒歴史。あ、ヒロインの弟ポジションだの。乙女ゲームだの。

黒歴史継続中?って思っちゃいそうな発言してるけど、これは紛れもない事実だから厄介なんだ!

そもそも、“ラブ☆パニック”とは何ぞや?って、思ってると思うから、簡単に説明するよ?

ラブ☆パニックは、乙女ゲーム作品として発売されたものなんだけど、そのヒロインは、ギャルゲーに出てくるヒロインたちが体験するようなイベントを、一人で全部やってのけちゃう強者なんだ。

あ、ギャルゲーといっても、こう、テンプレ的なものを考えて貰えればいいかな?

登校中にぶつかって、相手にパンツを見られたりとか、そういう感じの。

どじっ子属性+天然系。顔は勿論美少女だし、根は真面目でいい子ちゃん。ちょっと抜けている感じが、可愛かったと思う。


そんなヒロインに弟がいるんだけど、それが僕。ゲーム上、名前だけしか出てこないモブ中のモブ。

顔なんて出てこなかったんだけど、この世界じゃそうもいかないよね?

ゲームといっても、ちゃんとした世界だから、多くの人がこの世界で生きている。僕も含めて。


現実の世界で生きている僕の顔は、平凡な部類に入るけど、お姉ちゃんは勿論違うよ?

ヒロインポジションだから、補正とか入って美少女なんだと思う。それと、その顔に合った性格。

でも、その性格が何だか違うんだ。正しくは、性格が変わったっていうか……。


まぁ、生身の人間だし、性格が変わっていくってことも考えられるけど、それにしては極端すぎたんだよね。

何か変だなーって思っていたら、どうも“私”と同じように誰かが入っているみたいなんだ。お姉ちゃんの中に。

どうして、分かったのかというと、好感度がどうとか、なんで、この選択肢でイベントシーンに入んないのよ!?っていう声が聞こえたんだ。

あれは、怖い。僕の部屋が、お姉ちゃんの部屋を横切ったすぐ隣にあるから、通るたびに聞こえるんだけど、ほんとに怖い。

肉食系女子が、まだ可愛らしいものだって心底思っちゃうくらい、あの女が怖い。あれは、まさしく野獣系だね!

イケメンくんたちを見ているお姉ちゃんの目が、ギラギラしてて怖いんだよ。

多分、イケメンくんたちこと、攻略対象の人たちは、そんなお姉ちゃんに気付いているんじゃないかな?

どんなに猫を被っていても、ばれるときはばれる。この世界はゲームと同じ設定だけど、完全なゲームじゃない。

風邪を引くことだってあるし、怪我をすれば当然痛い。過ぎていく日々の中で誰かが生まれ、誰かが死んでいく。

昔、“私”が生きていた世界と同じ。全てのモノが生きている世界。


だから、思い通りにいかないことだってある。

選択肢の言葉一つで、どうにかなるわけじゃないってことに、お姉ちゃんの中に入っている人が気付けばいいと思う。

ここは、もう、君が知っているゲームの世界じゃないんだと。後戻りの出来ない世界で生きているんだと。

そのことに気が付けばいいと思う。僕が、気付けたように。

でも、僕は優しくないから教えてあげるつもりはないんだ。色々と好き勝手やっているみたいだし。

そろそろ思い知ればいいと思う。


あ、何気に酷いなこいつって思った?

僕、そこまで出来た人間じゃないから、この世界をかき乱す人は、お仕置きされればいいと思うんだ。

その後で、お姉ちゃんが現状を受け入れて、この世界で生きていく覚悟をしたのなら、そのときこそは、お姉ちゃんの弟として接するつもり。

でも、今はそのときじゃない。だから、もう少し様子見しようと思ってる。

ヒロインだけど、この世界ではヒロインじゃないお姉ちゃんに待ち受けている現実を、見届けるつもりなんだ。



『乙女ゲームの世界で ケース③』 了

突発的に書いてしまったお話。

ギャルゲーを微塵も知らないのに、話の中に出してしまいました(間違った認識だったら、すぐさま訂正しますので/汗)


今回は、乙女ゲーに転生したけど何故か弟ポジションになってしまった元女性の独白です。

しかも、記憶持ちという厄介なことが起きたため、幼少の頃は苦労したようです。

ちなみに、お姉ちゃんは転生者ですが、陽菜とは勝手が違っています。

前世の記憶が戻るきっかけが、ゲーム開始時期の高校三年生なので、今までのお姉ちゃん像が崩壊。

姉弟仲は良かった筈なのに、今までの記憶が無くなることで距離が出来るという設定なのですが、すみません。お話の中に入れてあげられなくて。

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