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水色のコラール  作者: 大路まりさ
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第十九話 入城

「すっごーい。アルトってこんな技使えんだ。」


ニコールはアルトに掴まりながら言った。

初めこそ怖い怖い、無理だと喚きたてていたものの、いざ空を飛んでみるとはしゃいでいた。


「それにしても冷えてきましたね。」

「そうだな。昔は能力ちからで飛んでもそんなに寒くはなかったのにな。」

「水色君は寒くない?」

「うん。わりと平気かも。」

「まじか。」


城下町は始めて来た場所であり、さらには少し散策したところであった。


街に着くと、決まって町の人たちがアルトとテナによって集まった。


「アルト、テナ、あんたたちこれまでどこにいたの」

「心配したよ。」

「知ってるか!?お前ら賞金首だぞ!?」

「知ってるっつの!で!?なんだ!?俺を捕まえるつもりなんだろ!?」


アルトがそう言うと初めに出会った仕立屋が言った。


「逆に決まってんでしょう!

あんたたちになんの罪があるってんだい!?」


そうして民衆は僕たちを思いっきり抱き寄せたのだった。


「不景気でも、貧乏でも、人が死ぬのが、いなくなるのが一番辛いんさ。

どんなにどん底でも、皆で歌えばそれでいいじゃないか。

孤児院がつぶれたあとも、二人は町のそばにいてくれたじゃないか。

金にめもくれずに、広場で音楽をして・・・・」


僕は二人を見た。


「そうなんだ」


孤児院育ちなのは聞いていた。

孤児院がつぶれたことはしらなかった。

二人はだから前に”俺達だけの家じゃない“と言ったのか。

ニコールは二人を見ていた。


「話がはやいよ。

これだけ民衆は結束してるんだから、どうにだってなるよ。」


ニコールがそう言うと、民衆はニコールを見た。


「あぁ、貴族様!」

「どうかアルトとテナを助けてください!!」


ニコールはそう言った民衆の手を握り言った。


「当然ですよ。

アルトとテナは選ばれた十二使徒です。

王様を食い止めます。

皆様がついてきてくださるのなら百人力です。

今に冷害も戦争もなくなるでしょう。

ですからお祈りを忘れないで。

私は貴族であるけど同じ人間です。

そしてあなた方と同じ未来を思い描いています。

協力、していただけますね?」


「もちろんですとも!!」


そうして城下町の民衆は結束し、ニコールの演説によりさらに頼もしい仲間が増えた。しかし。


「あれは、一部に過ぎないよ。

信仰に熱心な人たちだからアルトやテナ、そして十二使徒についてくれた。

けど、半数以上、いえ、殆どがコラールを狙ってる。

コラールの力を、自分だけのものにしたい人がいるはずだよ。ソプラや王様のようにね・・・・」


ニコールは険しい眼差しをして、城を見上げていた。


「シモン・・・・」


その言葉を聞いた瞬間、僕は切なくなった。

シモンはニコールの婚約者だった。

心配なのも当然だった。


「ニコール、大丈夫?」


本当は、大丈夫という言葉ではくくれない。

そんな言葉、ニコールだって欲しくはないだろう。


「ありがとう、水色。大丈夫だよ」


それでも、彼女は強かった。

そしてそれを見ておもいだした。


(春日・・・・)


音楽祭。共に出ようと約束をした。


「よっし!行くぞ!」

「行きましょう。」


アルトとテナが一喝いれて、僕たちは城の門へとたどり着いたのだった。

その時、どこからかソプラの声が聞こえた。


『やあ、待っていたよ。門番にはすでに伝えてある。入りたまえ。

最高のおもてなしを用意してあるよ。』


アルトとテナは「絶対わなだぞ」といい、それに対して二コールも「そう疑っといても損はないでしょうね」といった。

僕はみんなについていくことにした。


屋敷に入ると、そこは本当に歴史上でしか見たことのないような屋敷であった。

そう、たとえるならベルサイユ宮殿や、バッキンガム宮殿のような。


「前に見たことあったけど、こんなに大きいんだね」

「そりゃあそうでしょうとも。98パーセントの国民の税金をふんだんに使って建てた城だもん。

これがなかったら今頃十二使徒なんて必要ないでしょうに。」


二コールが冷静に答えつつ、僕たちは進む。

城に入り、長い長い廊下を進んだ。


そこには、大きなパーティホールがあり、長いテーブルがあった。

その一番奥にソプラは座っていた。


「やあ。さあ、席につくといいよ。

これでここには十一人の使途がいることになるんだね。」


ソプラにそう促された。

そこには、腕を拘束されたシモンたちがいた。

それにエドワードをアドルフも。


「険しい顔をしないで。話し合おう。それが僕らにとっての一番だと思わないかい??」


ソプラがそういうと、二コールは席についた。


「さすがに君は頭がいい。

宮廷に出入りを許されているアマルフィ家の娘なだけあるよ。」


二コールは僕にささやいた。


(不要な争いは避けたほうが懸命だとおもうよ。)


その言葉に促され、僕も席についた。

すると、アルトよテナも席に着く。


「残るはあと一人。今、国をあげて探してもらってるよ。

そこで、君たちに提案だ。

僕は君たちとは戦いたくはない。

楽譜をおいて立ち去ってくれたら、今後一切危害は加えない。

むしろこの宮廷の出入りを許してもいい。

どうする??」


ソプラのその問いに、シモンが声をあげた。


「あなたはその楽譜をどうするつもりだ!?まさか、この楽譜の内容を知らないわけはないだろう!?」

「もちろん。知ってるよ。この国の末路だ。だからこそ集めて消す。こんな不吉な楽譜を消す。

そしてこの王国を消す。

コラールを生み出したこの国を消す。

いい考えだろう?」


僕は席を立った。

それではコラールから呼ばれた意味がなくなってしまう。


「僕は君の考えは飲み込めない。」


その時だった。

ソプラは笑ったのだった。


「君はそういう気がしてた。君は僕の嫌いなタイプだ。」


こういった瞬間に、エドワードとアドルフを境に鉄格子が出てきたのだった。


「明日は盛大なお祭りだ!条件が飲み込んでいただけないなら、力ずくで奪うから。」


あっというまにそこは独房になり、閉じ込められた。


「ごめん」


僕はそういった。

なんだか僕の一言が決めてだった気がしたからだ。


「いいっての。俺だっておんなじことをしたさ。」


アルトは腕を縄で拘束されていた四人の縄を切った。


「あと一人、誰なんだろうな。」


僕はうなずいた。

あと一人はどちらにつくのだろう。

そんな中、二コールはシモンとステファンに抱きつき、ラピスはアルトに抱きついた。


「お兄ちゃん!!」

「ばっかやろう!男がなくな!!」


「二コール、無事だったか。」

「うん。」


ステファンがそういうと、僕と二コールに言った。


「お前ら、ここに来る前にリオを見なかったか??」

「見てないよ??」

「逃げ切ってるといいんだがな。実は、あいつに大事な術を預けてあるんだ。

もしもの時には水色、お前が鍵になる。いいか?」

「うん」


そのときだった。


『諸君、祭りを始めるぞ!!』


鉄格子は動き、そして移動したかと思えば目の前は闘技場であった。



「さあ!みな狂え!!娯楽チルチェンセスの始まりだ!!!」









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